日経メディカルのロゴ画像

胃癌だけじゃない! PPIで認知症、骨粗鬆症リスクが上昇?

2018/02/13
田中 由佳里(東北大学東北メディカル・メガバンク機構)

研修医  先日の長期プロトンポンプ阻害薬(PPI)内服と胃癌リスクの論文を読む中で、PPI長期内服が認知症に関連するかも、という論文が出ていたことを知りました。

田中 2016年にJAMA neurology誌に出た論文のことかな。当時、一部ではあの論文もちょっとした騒ぎになっていたね。JAMA論文はintroductionやdiscussionで、マウスへのPPI投与でβアミロイド貯留が見られたことなど基礎実験の話がたくさん載っていて、臨床疫学論文なのに珍しいなあと興味を抱いた記憶があるよ。

研修医 その後Gastroenterology誌が、認知症と関連するのがPPIでなくH2ブロッカーの方だという論文を出していて……。僕は「薬の種類が論点なのか」ってちょっと突っ込みたくなってしまいました。

田中 我々専門医は、日常臨床ではどうやって酸分泌抑制薬の長期処方を少なくするかで頭を悩ませているからね。JAMAの一件があった後での、今回のPPI長期内服と胃癌関連論文騒ぎで、PPI長期内服リスクについて非専門の先生にも注目してもらえるようになったのは、喜ばしいことだよね。

著者プロフィール

田中 由佳里(仙台厚生病院 消化器内科)●たなか ゆかり氏。2006年新潟大学卒。機能性消化管疾患の研究のため、東北大学大学院に進学し、ストレスと過敏性腸症候群の関連をテーマに研究と臨床に従事。東北大学医学系研究科を経て、2019年から現職。

連載の紹介

田中由佳里の「ハラワタの診かた」
正しい機能性消化管疾患のエビデンス解説サイト「おなかハッカー」や、患者の日常生活課題について多職種連携による解決を目指した「おなかハッカソン」などを開催している消化器内科医が、機能性消化管疾患の面白さをお伝えします。

この記事を読んでいる人におすすめ