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心窩部の「うっとくる感じ」が意味するもの

2017/06/14
田中 由佳里(東北大学東北メディカル・メガバンク機構)

研修医 さっき外来で診た32歳の男性について相談していいですか? もともと週に1回程度、腹痛と下痢を繰り返すことがあったらしいのですが、ここ1~2カ月前から週に3~4回、朝に腹痛と下痢が出るようになったそうです。

田中 年度が変わって、何か変化があったのかな?

研修医 職場の配置転換で、ストレスは結構あるようです。ただ、気分面を聞いても、うつ病を疑うほどでもありません。

田中 睡眠と食欲は?

研修医 刺激物を食べたりビールを飲むと下しやすいそうなので、今は控えていると言っていました。睡眠時間は7~8時間取るようにしているものの、夜中に夢を見たりするし、朝は起きるのがつらいそうです。

田中 メンタル面でのフォローも必要そうだけど、その前に現状を内科的に評価しておこうか。

研修医 僕も朝起きるのはつらいんですが、そんなことくらいでメンタル面のフォローなんてしてもらえるんですかね。

田中 君の場合は、昨日も楽しそうに若手で飲み会に行ってたじゃない。夜遅くまで飲んでたら、そりゃ朝起きるのはつらいでしょ。

研修医 そりゃそうですね。この男性はとりあえず採血して、甲状腺とコルチゾール系のオーダーも入れておきました(ちょっとドヤ顔)。

田中 まずは便培養を病棟にお願いしとこうか。おー、素晴らしい。オーダーもしっかりできるようになってきたねえ。ところで、お腹の診察はどうだった?

研修医 腸蠕動音は軽度低下で、特に激しい圧痛を認めるところはありませんでした。

田中 他に、何か気になる所見はあった?

研修医  OSCEの方法に則って診察しましたが…他に注意する所見ってありましたっけ?

著者プロフィール

田中 由佳里(仙台厚生病院 消化器内科)●たなか ゆかり氏。2006年新潟大学卒。機能性消化管疾患の研究のため、東北大学大学院に進学し、ストレスと過敏性腸症候群の関連をテーマに研究と臨床に従事。東北大学医学系研究科を経て、2019年から現職。

連載の紹介

田中由佳里の「ハラワタの診かた」
正しい機能性消化管疾患のエビデンス解説サイト「おなかハッカー」や、患者の日常生活課題について多職種連携による解決を目指した「おなかハッカソン」などを開催している消化器内科医が、機能性消化管疾患の面白さをお伝えします。

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