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自転車操業!?公立病院再編を促すリスト

2019/10/03
薬師寺 泰匡(岸和田徳洲会病院救命救急センター)

 厚生労働省が、9月26日に全国の公立病院と公的病院のうち、患者が少なかったり、周辺地域に似たような病院があったりするなどの理由から、再編や統合などを議論すべきだと判断した病院を公表しました(関連記事:再編統合の再検証を要請する424病院を公表)。再編しろとも、統合しろとも言っていないのですが、それぞれの医療圏の知事には思うところがいろいろあったようです。山口県知事は「地域ごとに最適な形をさらに議論していきたい」と述べています。鳥取県知事は「福祉と結びつくなど様々な病院のあり方があるのに、それを捨象している。生きる権利を地方から奪うのか」と批判的です。

 厚労省が公開したリストは、医療提供体制を変えないと病院の運営がより一層厳しくなりますよということを示唆する、ただそれだけのリストのはずです。医療提供体制を決めているのは医療計画を立てている都道府県なので、鳥取県においては、生きる権利を地方から奪うことも与えることもできる立場にある張本人が、なぜかアドバイスをしてくれている組織を攻撃するというなんとも言えない図になっています。山口県知事がおっしゃるように、地方ごとに、より最適な形を検討しつつ、どうにか地域の医療が崩壊しないようにあるべき形を探っていくほかないと僕は思います。

著者プロフィール

薬師寺泰匡(薬師寺慈恵病院)●やくしじひろまさ氏。富山大学卒。岸和田徳洲会病院(岸徳)での初期研修を経て救急医療の面白さに目覚め、福岡徳洲会病院ERで年間1万件を超える救急車の対応に勤しむ。2013年から岸徳の救命救急センターで集中治療にも触れ、2020年からいきなり管理職。地方二次救急病院で診療しながら、岡山大学の高度救命救急センターでますます救急にのめり込んでいる。

連載の紹介

薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」
ER×ICUで1人盛り上がる救急医。愉快な仲間達と日本一明るい救命センターを目指して日々奮闘し、「ER診療の楽しさ」の伝承にも力を入れています。出会った患者のエピソードや面白かったエビデンス、ERを離れた救急医の日常までを綴ります。

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