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第10回
カリウム足りてる?

2017/09/01
村川 裕二(帝京大学溝口病院)

 学会のついでに、博多の従姉の家に立ち寄る。
 <イカ刺し>と<もつ鍋>、おいしいお酒。
 ところが、いける口なのに従姉は水を飲んでいる。
 「何で?」
 「水素水」
 人様の好みをとやかく言えないが、「ふーん?」と、いぶかしい。
 「水素イオンとかミネラルとかは身体にいいのよ」
 否定はできないが、肯定も難しい……。
 「水素水」とは何だろう。
 東京に帰って1週間。テレビで「水素水の効果に疑問」というニュースが流れていました。
 そういうわけで、水素水は置いといて……。
 電解質異常のトップランナー「低カリウム血症高カリウム血症」をおさらい。

どんな電解質異常に出会うか

 個人的には、
 1位 低カリウム血症
 2位 高カリウム血症
 3位 低ナトリウム血症
 の順番によく出会う。
 実際の頻度はいかに?
 <悪性腫瘍の骨転移>や<内分泌疾患>を診ていれば、高カルシウム血症や低カルシウム血症もまれならず出会いそう。
 熱帯の北オーストラリアで救急入院した患者さんでは……
 ●10.7%に中等度の低ナトリウム血症
 ●3.6%にシビアな低ナトリウム血症
 を認めていました(Malabu UH et al. Asian Pac J Trop Med. 2014;7:40-3.)。
 高齢者ほど低ナトリウム血症が多い。
 ERを訪れた2万余例の解析では──。
 高齢者には低ナトリウム血症だけでなく低カリウム血症も多かったです(下図、Lindner G et al. Gerontology. 2014;60:420-3.)。

著者プロフィール

村川裕二(帝京大学附属溝口病院第四内科・中央検査部教授)●むらかわゆうじ氏。1981年東京大学卒。83年同大第二内科入局。89年関東中央病院内科、91年東京大第二内科助手を経て2003年帝京大附属溝口病院第四内科助教授。04年同教授。16年中央検査部教授を兼務。

連載の紹介

村川裕二の「ほろよいの循環器病学」
某医学雑誌で10年以上、循環器病学の連載を続けてきた筆者の名コラムが、場所を移して“新装開店”。堅い話になりがちな最新医学の話題をゆるゆる、まったり解説。穏やかな語り口に引き込まれながら、読みふけってしまう。肩肘はらず、グラスを傾けながら、たそがれ時のお供に。イラストも筆者のオリジナル。

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