日経メディカルのロゴ画像

トピック◎COVID-19の第4波襲来
重症者の増加速度が3倍、重症病床不足の事態に
「重症医療の危機に陥っている」と大阪府知事

 第3波に比べて第4波ではコロナ重症者の増加速度が約3倍と加速している──。2021年4月14日の記者会見の冒頭、大阪府知事の吉村洋文氏はこう強調した。重症者急増のため重症病床の確保が追い付かず、軽症中等症患者を受け入れる医療機関で重症者の治療を続けるという事態に追い込まれた。吉村知事は「重症医療の危機に陥っている」と目の前に迫った医療崩壊に懸念を示し、対策を急ぐというしかなかった。

 大阪をはじめ関西で広がっているのがコロナウイルスの英国型変異株だ。感染性が野生株に比べて最大90%増加しており、致死率も35%増との報告がある(関連記事「コロナ変異株、性状はどこまで分かったのか」)。この英国型変異株の拡散が第4波の襲来を招いた一因だ。大阪府では変異株PCR検査の結果、4月9日から11日までの1週間で変異株PCR陽性率は82.8%に増加している(変異株PCR実施率20.9%)。

 変異株が流行の主流に躍り出る中、大阪では第3波で重症者の増加が約3カ月で171人だったものが、第4波では24日間で178人と増加速度が加速している(図1)。その結果、吉村知事が「重症医療の危機」と表現したように、医療のひっ迫度合いは限界に達している。実際に稼働中の重症者用の病床は4月14日時点で232床。同時点の重症患者は239人で、重症病床が不足する事態に陥っている。府の発表では、重症病床運用率(入院患者数/実運用病床)は94.4%となるが、これは軽症中等症患者を受け入れる医療機関で重症者20人を診ているから100%を超えていないだけだ。

図1 第3波に比べて第4波ではコロナ重症者の増加速度が約3倍と加速(大阪府の資料から)

著者プロフィール

三和護(日経メディカル編集委員)●みわ まもる。1984年筑波大学大学院医科学修士課程修了。同年日経BP入社。感染症や循環器領域をはじめ、診断エラー学、医師患者関係、心不全緩和ケアなど幅広いテーマに取り組む。共著に『期待されるシルバービジネス』(ダイヤ財団新書)『バイオバンクの展開』(上智大学出版)。

連載の紹介

三和護が迫る「COVID-19の核心」
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の全体像を俯瞰。COVID-19対応の問題点に迫り、その解決のために今、何をすべきなのかを考えます。

この記事を読んでいる人におすすめ