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COPD合併のACSにはβ遮断薬を避ける人が多い
Respirology誌から

2019/10/14
倉原優(近畿中央呼吸器センター)

 誰が決めたのか、β遮断薬と呼吸器内科というのは相性が悪いらしい。そして世の中の医師は、どうも呼吸器疾患がある患者さんにはβ遮断薬を処方したくないらしい。恐らく、β遮断薬が気管支を収縮させる方向に働くからでしょう。気持ちは分かります。

 先日、日経メディカル Onlineの医師会員を対象に行われたβ遮断薬に関するアンケート(参照:β遮断薬 第3回調査)では、35.3%の医師が「ビソプロロールフマル酸塩(商品名:メインテート他)の処方頻度が最も高い」と回答しています。理由を見ると、呼吸器系に安全に用いることができる点が評価されているようです。

 しかし、6000人近いCOPD患者さんを解析した後ろ向きコホート研究では、β遮断薬の使用はCOPD全体で死亡率を低下させることが示されています(図11) 。また、別のコホート研究においても、COPD患者さんに対するβ遮断薬は、心筋梗塞発症の前後いずれの時期においても内服することで死亡リスクを軽減することが分かっています2)

図1 COPDに対するβ遮断薬の効果(文献1より引用)

著者プロフィール

倉原優(国立病院機構近畿中央呼吸器センター呼吸器内科)●くらはら ゆう氏。2006年滋賀医大卒。洛和会音羽病院を経て08年から現職。自身のブログ「呼吸器内科医」を基に『ねころんで読める呼吸のすべて』(2015年)、『咳のみかた、考えかた』(2017年)などの書籍を刊行している。

連載の紹介

Dr.倉原の呼吸器論文あれこれ
倉原氏は、呼吸器病棟で活躍する若手医師。呼吸器診療に携わる医療従事者が知っておくべき薬や治療、手技の最新論文の内容を、人気ブログ「呼吸器 内科医」の著者が日々の診療で培った知見と共に解説します。呼吸器診療の最先端を学べる臨床連載です。

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