
かんまち あきこ氏。97年、神戸学院大薬学部卒。薬局勤務後、2003年に大阪教育大教育学研究科修士課程(精神社会保健学分野)入学。05年修了し、現職。
日々、薬局で処方せんを見ていると、「処方される医師の先生方は、あまり剤型について関心がないのではないか」と感じることがある。剤型とは、経口剤であれば、錠剤、カプセル剤、散剤、シロップ剤などのことである。「どんな剤型でも飲んでしまえば一緒」ではあるのだが、患者には意外に剤型の好き嫌いがあるものである。自分から訴えるほどではないが、よくよく話を聞いてみると「実は、以前から飲みにくいと思っていた」と話す患者が多い。特に最近、よく患者から不満の声を聞くのが「口腔内崩壊錠」である。
普通錠と一緒だと飲みにくい
口腔内崩壊錠は、メーカーによって、OD錠、D錠、ザイディス錠などの呼び名がある(表1)。口腔内速溶錠と呼ばれることもある。いずれも口腔内の唾液で崩壊(溶解)するので、水なしで飲むことができ、メーカーは「外出先でも飲みやすい」「嚥下障害のある高齢者にも」といった点をアピールしている。