父親のクリニックを継承することになったM氏。週2回、非常勤で勤務しながら患者の引き継ぎをしました。幸い父親と同じ呼吸器内科が専門だったため、患者にはスムーズに受け入れられ、半年が経過した頃にはM氏と患者との信頼関係も深まっていきました。横で見ていた父親も、「これで安心していつでも引退できる」と感じていました。
次に各スタッフと個別面談をすることになりました。面談の趣旨は、これからのクリニックの運営や診療方針に関するM氏の考え方を一人ひとりに伝え、意思統一を図ることです。父親が雇用していたスタッフは全員常勤。コスト面からみると人件費の負担は楽ではなかったのですが、「長年のキャリアに裏打ちされた知識やノウハウがあるので継続雇用してほしい」と父親から言われていました。
一方でM氏は、最新のレントゲン装置や血液検査機器をリニューアルし、電子カルテを導入して診療情報のデジタル化を実現しようと考えていました。そこで、父親と自分の診療スタイルの違いや、デジタル化を進めることをスタッフに説明しました。
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著者プロフィール
日本医業総研●医院・診療所の開業コンサルティング企業。関西地方を中心に、220件以上の開業支援実績がある。関西および関東でクリニックモールの企画・開発も積極展開している。

連載の紹介
開業の落とし穴
開業は一生の一大事。一方で、診療所の経営環境は悪化の一途をたどっています。開業地の選定や資金調達など、軌道に乗るまでに潜むさまざまな落とし穴を、過去に開業されたドクターの事例を基に紹介します。
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