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高齢者の心不全、診察室外での一手間が大事

2020/01/14
太田 浩(ありがとうみんなファミリークリニック平塚)

93歳女性。伊藤キヨさん(仮名) 主訴:咳嗽

 1年前に当院の近くに引っ越して来た患者です。以前住んでいた隣町の診療所に高血圧、慢性心房細動で通院していました。最近、咳が多く、歩くと息切れがします。家から近い当院に今後かかるつもりで娘と一緒に受診しました。エナラプリル5mg 1錠分1朝食後、アムロジピン5mg 1錠分1朝食後、アピキサバン2.5mg 2錠分2朝夕食後、フロセミド20mg1錠 分1朝食後、エチゾラム0.5mg2錠 分2朝夕食後を内服していました。前医の診療情報提供書は持っていません。

 血圧166/82mmHg、脈拍96回/分、SPO296%、呼吸数16回/分、心音:不整、雑音なし、肺音:下肺野coarse cracklesを聴取。 前脛骨部に浮腫あり、体重は48kgで普段より2kg増えています。心電図は心房細動でST変化はありません。胸部X線では心拡大と両肺に軽度の胸水を認めるものの、肺うっ血はありません。

 急性心不全の診断となりましたが、入院するほど呼吸状態は悪くありません。採血を外注検査に出し、フロセミド20mgを追加し、合計40mgとし、外来フォローの方針としました。

連載の紹介

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