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エリアレビュー◎WCGC2017・大腸癌
進行大腸癌の2次治療には実臨床に応用可能なバイオマーカーが必要
課題残るアフリベルセプトのバイオマーカー解析

2017/08/15
国立がん研究センター東病院消化管内科長・研究実施管理部長 吉野 孝之 氏

 個々の患者に最適な治療を選択するため、現在さまざまな癌種において、バイオマーカーの確立に向けた取り組みが行われています。

 進行大腸癌の治療では、抗EGFR抗体の効果予測因子としてRAS(KRAS/NRAS)遺伝子が使用されていますが、その他のバイオマーカーの開発も進んでいます。MSI-high(マイクロサテライト陽性)の症例に抗PD-1抗体は有効であること、BRAF遺伝子変異例には抗EGFR抗体の効果は期待できないことなどが明らかになっており、これらの検査も重要です。現時点ではどちらも保険適用となっていませんが、MSIを測定できるキットに関しては7月に開催された第15回日本臨床腫瘍学会(JSMO)で報告しました。MSIはリキッドバイオプシーで分かるようになりましたから、いずれは腫瘍マーカーのように日常臨床で測定できる時代になります。

 こうした状況の中で急務となっているのが、2次治療におけるVEGF阻害薬のバイオマーカーの確立です。現在は3剤が使用可能になっていますが、どの患者にどの薬剤を選べばよいのかは明らかになっていません。

 ESMO 19th World Congress on Gastrointestinal Cancer(WCGC2017)では、進行大腸癌の2次治療としてVEGF阻害薬アフリベルセプトを評価した第III相のVELOUR試験から、バイオマーカーをレトロスペクティブに解析した結果が発表されましたが、実臨床に応用するには課題が多く、別の臨床試験できちんと検証する必要があると思います。

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