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Lancet誌から
中国のCOVID-19ワクチンのフェーズ2試験
9割超がSARS-CoV-2抗体陽性になり、中和抗体、細胞性免疫も誘導

 中国CanSino Biologics社と中国Beijing Institute of Biotechnology (BIB)が開発している、アデノウイルス5型をベクターとするCOVID-19ワクチンを健康な成人に投与した二重盲検のフェーズ2ランダム化比較試験で、安全性と免疫原性が確認された。中国江蘇省疾病管理予防センターのFeng-Cai Zhu氏らは、フェーズ2試験の結果をLancet誌電子版に2020年7月20日に報告した。

 複製欠損アデノウイルス5型ベクターに、抗原としてSARS-CoV-2スパイク蛋白質の遺伝子を組み入れたワクチンのフェーズ1試験が始まったのは2020年3月だった。用量漸増方式で行われ、ワクチンの安全性と忍容性、および免疫原性が評価された。最も高用量を投与された患者には、重篤な有害事象が認められたため、今回のフェーズ2試験には、1x1011ウイルス粒子/mL(高用量)と5x1010ウイルス粒子/mL(低用量)という2通りの用量が用いられた。目的は、より多くの人々を対象に安全性と免疫原性を確認すること、およびフェーズ3試験で用いる用量を決定することに置かれた。

 このワクチンのフェーズ2試験は、健康な成人を対象に、中国武漢市の1施設で行われた。組み入れ条件は、HIV陰性で、SARS-CoV-2感染歴がない18歳以上の人。感染歴は市販されている2種類の検査キットで確認した。体温は37℃以下で、BMIは18.5~30.0の間、病歴聴取と診察で健康状態に問題がないこととした。妊婦と授乳中の女性は除外した。

 条件を満たした参加者は、2対1対1の割合で高用量群、低用量群、プラセボ群に割り付け、1回のみ腕に筋注した。接種後30分間は直後の有害事象を確認し、その後は14日後と28日後に接種部位と全身の有害事象をチェックした。

 抗体反応は接種前と、14日後、28日後に採血して調べた。ELISA法でSARS-CoV-2スパイク蛋白質の受容体結合ドメインに特異的な抗体価を測定し、SARS-CoV-2ウイルス(human/CHN/Wuhan_IME-BJ01/2020株)、またはシュードウイルス(スパイク糖蛋白質を発現させた水泡口炎ウイルス)を用いた中和抗体を測定した。細胞性免疫反応を調べるために、T細胞からの、SARS-CoV-2のスパイク糖蛋白質に特異的なインターフェロンγの分泌を調べるELISpot(Enzyme-Linked ImmunoSpot)検査も行った。

 免疫原性に関する主要評価項目は、ワクチン接種から28日時点の、ELISA法による抗体価の幾何平均値と中和抗体反応とした。安全性に関する主要評価項目は、14日以内の有害事象の発生率とした。免疫原性の副次評価項目は、14日後と6カ月後(まだ未確認)の抗体価、28日後のT細胞の反応とした。

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