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特集●中医協委員・関係者が語る「2010診療報酬改定」Vol.8
眼科点数の引き下げ理由はあまりに薄弱
日本眼科医会前会長 三宅謙作氏、日本眼科医会常任理事 山岸直矢氏

日本眼科医会前会長の三宅謙作氏

──今改定の印象は。

三宅 厚生労働省というよりも財務省主導の改定だったという印象だ。改定率はプラスだが小幅であったし、昨年秋の行政刷新会議の「事業仕分け」の結果がそのまま反映されたような内容だった点は不満だ。事業仕分けでは、対象施設が少なく、実際の経営状況を反映しているとは言いがたい単月の医療経済実態調査の結果のみで、「この診療科は収益が良い」「診療科間の格差を是正すべき」と判断された。議論の対象となった科の意見を聞くことなく改定作業が進められてしまい、非常に残念だった。

──眼科の診療所にとっての影響は。

三宅 屈折検査、矯正視力検査、精密眼圧測定、角膜曲率半径計測といった眼科診療の基本である検査の報酬が、3~5点ずつ引き下げられてしまった。事前に厚労省保険局医療課とのヒアリングの機会がないまま、中央社会保険医療協議会で議論され、医会を挙げてかつてないほどの抗議をしたのだが、聞いてもらえなかった。

 実は、もっと厳しい内容になる可能性もあったと聞いている。引き下げとともに、眼科学的検査の包括化という案も出ていたらしく、それが実施されていたら大変なところだった。

 検査料の引き下げと同様、再診料の2点引き下げも大きな痛手だ。眼科の場合、初再診料が収入全体に占める割合は18.6%を占め、内科よりも高い。トータルで見ると、他科に比べマイナスの影響度は1.5倍くらいになるのではないか。

 眼科にとっては厳しい2年になるだろう。プライマリケアを担う先生方には本当に申し訳ない結果になってしまった。

──厚労省は検査料の引き下げの理由を、機器の価格や所要時間に比べて点数が相対的に高いため、と説明したが。

山岸 当医会の調査によれば、こうした検査の精度は上がっているが、検査時間は短縮されておらず変わっていない。また、機器の定価をみても、12年前の平成10年に150万円だった屈折検査のオートレフラクトメーターは現在165万円で、精密眼圧測定のノンコンタクトトノメーターは240万円から250万円に上がっている。決して下がっているわけでなく、むしろ上昇している。

 改定財源は限られているので、どこかを削って、喫緊の対応が必要な分野に重点配分したいという厚労省の考えは分かるが、眼科の点数を下げるにはあまりにも根拠が乏しいのではないか。

難易度Dでも白内障手術は据え置き
──今回、手術料は外科系学会社会保険委員会連合(外保連)の試案を基に改定された。

三宅 外保連の試案作成には、眼科医会も協力した。全体として難易度Eの手術料を50%、Dでは30%を引き上げたのは正しい方向性だったと思う。

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