日経メディカルのロゴ画像

トレンド◎医師・患者を悩ます2つのワクチン
肺炎球菌ワクチン“定期接種化”で逆に混乱
公費助成は23価のみ、13価は全額自費に

「公費助成をしていた自治体が、定期接種化で助成対象を狭めている」と指摘する国立病院機構東京病院の永井英明氏。

 2014年10月、23価肺炎球菌莢膜多糖体ワクチンPPSV23、商品名ニューモバックスNP)が「65歳の高齢者」を対象に定期接種化された。それに伴い、これまで65歳や70歳など特定の年齢に達した全ての高齢者を対象に、独自に接種費用を助成していた多くの自治体が、助成対象を縮小する方針を示している。「接種を勧奨するはずの定期接種が、逆に接種対象者を狭めることになっている」と語るのは国立病院機構東京病院外来診療部長の永井英明氏だ。

 PPSV23は、肺炎球菌による菌血症や髄膜炎といった侵襲性肺炎球菌感染症IPD)の予防効果が認められており、日本で20年以上の使用実績があるワクチンだ。厚生科学審議会の予防接種・ワクチン分科会による検討結果を受け、厚生労働省は個人の発症と重症化を防ぐべき「B類疾病」として高齢者の肺炎球菌感染症を指定。PPSV23を定期接種化した。

 厚労省の方針は、65歳の高齢者と、60~64歳で重度の心疾患など日常生活が極度に制限される基礎疾患がある人を対象に、1回の接種を助成するもの。既に65歳を過ぎた人にも定期接種の機会を設けるため、2019年3月31日までの時限措置として、該当する年度に65歳だけでなく70歳、75歳など5の倍数の年齢となる人も定期接種の対象とした。

 つまり65歳以上の高齢者は、定められた時期での接種を逃すと、接種費用を全額自己負担しなければならなくなる。臨床医は、これまで自身の体調や年齢を考慮して打ち控えていた患者が、公費助成を受ける機会を逃さないよう、個別に接種スケジュールを設定する必要があるわけだ。

この記事を読んでいる人におすすめ