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【どうなる?後発品 第8回(最終回)】
後発品の「食わず嫌い」を克服するために

 先発品の特許が切れた後、価格の安い後発品にシフトするのは、医療経済的に考えれば当然だ。先発品の開発にかかったコストは、特許で守られ、独占的に販売できる期間内に回収する。特許が切れた後は、いわば社会の公共財として、その薬を必要とする患者になるべく安い価格で提供される。この仕組みの妥当性に、議論の余地はない。

 しかしわが国では、後発品の使用がなかなか進まない。その理由として、今回の取材を通じて感じたのは、品質・流通・情報という後発品そのものの抱える“3大問題”以外に、「これまで使ったことがないから」という医師の心理的な抵抗が意外に大きいのではないかということだ。

 少なくともこれまでは、新人医師に具体的な処方を教えてくれる先輩医師の多くは、先発品しか使っていなかった。先発品企業のMRから、先発品に関する情報を提供される機会も多い。そうした経験が習慣になり、「先発品を使うのが当たり前」という環境が醸成されていく。多くの医師が薬を一般名でなく、先発品の商品名で認識しているのも、先発品がデフォルトになっていることの表れだ。

 一方で、後発品の品質に対する不安は、相変わらず根強い。先発品に比べて、品質に関する情報の絶対量が少ないことが一因だろうが、今後も、先発品企業のMRがしてくれるような、「かゆいところに手が届く」式の情報提供は、後発品には期待できない。もっとも厚生労働省は、遅ればせながら「後発医薬品に係る情報提供の充実について」と題する課長通知(平成18年3月24日、薬食安発第0324006号)で、ヒトを対象にした後発品の生物学的同等性試験データがあれば添付文書に盛り込むよう求めた。通知には、AUCやCmaxなどのデータは試験条件とともに記載する、被験者の選択によりAUCやCmaxの値が異なる可能性があることも言及する--ことなどが盛り込まれている。

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