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NEJM誌から
VTEの延長治療にアピキサバン、ダビガトランは有望な選択肢
2つのグループの二重盲検ランダム化試験で明らかに

 静脈血栓塞栓症VTE)の初期治療後の延長治療にアピキサバンまたはダビガトランを用いると、プラセボに比べて有意なVTE予防効果が得られ、出血リスクに対する懸念も小さくなることが示された。それぞれ異なる研究グループによって行われた臨床試験の結果が、NEJM誌2013年2月21日号に報告された。

 VTE治療の基本は抗凝固療法で、ガイドラインでは3カ月以上にわたって行うよう推奨している。従来、再発予防のためにはワルファリンが用いられていたが、モニタリングが必要で、食事に関する制限がある上に出血リスクを高めるため、長期投与は行いにくかった。このため、出血リスクが低く、再発予防効果を持つ代替薬が求められてきた。

アピキサバンの服用でVTE再発率が低下
 イタリアPerugia大学のGiancarlo Agnelli氏らは、経口第Xa因子阻害薬のアピキサバンを用いた延長治療の有効性と安全性をプラセボと比較する、二重盲検のランダム化試験RCT)を実施した。

 08年5月~11年7月にかけて、28カ国の328施設で、VTEで抗凝固療法を6~12カ月間受けており、抗凝固療法を中止すべきか判断が困難な18歳以上の患者2486人を登録した。アピキサバン2.5mg群(842人)、5mg群(815人)、プラセボ群(829人)の3群に割り付け、1日2回、12カ月にわたって投与した。なおアピキサバン2.5mgの1日2回投与は整形外科領域の大手術を受けた患者の血栓予防に、5mgの1日2回投与は心房細動患者の脳卒中予防に有効であることが示されている。

 主要評価指標は症候性のVTE再発または全死因死亡、2次評価指標は症候性のVTE再発またはVTEによる死亡に設定。主要評価指標については1年間の追跡中に脱落した患者はイベントを経験したと見なし、2次評価指標では脱落患者はイベントを経験しなかったと見なした。

 アピキサバン2.5mg群で2人、5mg群で2人が脱落し、2482人がIntention-to-treat解析の対象になった。症候性のVTE再発または全死因死亡は、プラセボ群の11.6%(829人中96人)、アピキサバン2.5mg群の3.8%(840人中32人)に発生し、両群間の差は7.8ポイント(95%信頼区間5.5-10.3、P<0.001)だった。5mg群は4.2%(813人中34人)で、プラセボ群との差は7.4ポイント(4.8-10.0、P<0.001)だった。

 症候性のVTE再発またはVTEによる死亡は、プラセボ群の8.8%(73人)、2.5mg群の1.7%(14人)に発生し、両群間の差は7.2ポイント(5.0-9.3、P<0.001)だった。5mg群は1.7%(14人)で、プラセボ群との差は7.0ポイント(4.9-9.1、P<0.001)だった。2.5mg群と5mg群の差は-0.2ポイント(-1.4から1.0)で、有意差は見られなかった。

 大出血はプラセボ群の0.5%(4人)、2.5mg群の0.2%(2人)に発生し、両群間の差は0.2ポイント(-0.3から0.8)だった。5mg群は0.1%(1人)で、プラセボ群との差は0.4ポイント(-0.2から0.9)だった。2.5mg群と5mg群の差は0.1ポイント(-0.3から0.5)で、全ての群間で有意差は見られなかった。

 大出血ではないが臨床的には意義がある出血は、プラセボ群の2.3%(19人)、2.5mg群の3.0%(25人)に発生し、両群間の差は-0.7ポイント(-2.2から0.9)だった。5mg群は4.2%(34人)で、プラセボ群との差は-1.9ポイント(-3.6から-0.2)だった。2.5mg群と5mg群の差は-1.2ポイント(-3.0から0.6)で、全ての群間で有意差は見られなかった。

 アピキサバンは2.5mgを1日2回投与、5mgを1日2回投与のいずれの用量でも、プラセボ群と比べて大出血リスクを高めることなくVTEの再発を減らせることが明らかになった。

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