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NEJM誌から
ビスホスホネートは大腿骨骨折リスク上昇を招かない
3件のRCTの2次分析の結果

 近年、ビスホスホネート系薬剤の使用が、大腿骨転子下または大腿骨骨幹部の非定型骨折のリスクを上昇させるのではないかという懸念が広まっている。米California大学San Francisco校のDennis M. Black氏らは、ビスホスホネートに関する3件の大規模な無作為化二重盲検試験のデータを2次分析し、治療とこれら骨折の間に有意な関係は見られないことを示した。論文は、NEJM誌電子版に2010年3月24日に掲載された。

 近年、いくつかの症例報告やケースシリーズ研究が、ビスホスホネート系薬剤の使用と大腿骨骨幹部の非定型骨折の関係を報告している。だが、集団ベースの研究ではこれを支持するデータは得られておらず、ビスホスホネートと大腿骨骨折の関係をエンドポイントに設定して行われた無作為化試験はこれまでなかった。

 また、米食品医薬品局(FDA)は、2010年3月10日、市販後の安全情報提供の一環として、ビスホスホネート系薬剤の使用と大腿骨転子下骨折の関係を調べる安全性評価が進んでいることを公表した。現時点では治療による骨折リスク上昇は明らかになっていないとしながらも、医療従事者は、ビスホスホネートを使用している患者に大腿骨転子下骨折が発生する可能性を想定し、治療を開始する前に、ビスホスホネートについて知られている利益と存在するかもしれないリスクについて患者と話し合うことを推奨した。

 今回著者らは、過去に行われた無作為化試験のデータの2次分析を行って、ビスホスホネートと骨折の関係を明らかにしようと考えた。対象となったのは、FIT(Fracture Intervention Trial)試験、FLEX(FIT Long-Term Extension)試験、HORIZON(Health Outcomes and Reduced Incidence with Zolendronic Acid Once Yearly)-PET(Pivotal Fracture Trial)試験だ。これらは、1万4000人を超える人々をビスホスホネート系薬剤または偽薬に割り付け、5万1000人-年を超える追跡を行っていた。

 FITは、65歳超で骨密度が低い女性6459人を登録、アレンドロネート(当初2年間は5mg/日、その後は10mg/日)または偽薬に割り付け、3~4.5年追跡した試験だ。

 FLEXは、FIT終了後、全員にアレンドロネートをオープンラベルで1年間投与した後に、患者を無作為にアレンドロネート5mg、アレンドロネート10mg、または偽薬に割り付け、5年以上にわたって追跡した試験。常にアレンドロネートに割り付けられた患者では、継続使用期間の平均は10年になった。

 HORIZON-PETは、65~85歳で骨量低下が見られる7736人の女性を登録し、年1回ゾレドロン酸5mgまたは偽薬を注射した。追跡期間は3年だった。

 これら試験の登録患者について、股関節部と大腿骨の骨折記録のすべてと、利用可能な場合にはX線画像を入手し、大腿骨転子下骨折と大腿骨骨幹骨折を同定、主にX線画像に基づいてそれらが非定型骨折かどうかを判定した。

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