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JAMA Network Open誌から
小児の睡眠時間とメンタルヘルスへの影響
睡眠時間が短いと情動障害や行動障害のリスクが増加

 ノルウェー科学技術大学のBror M. Ranum氏らは、小学生の睡眠時間と、2年後の情動障害、行動障害の症状の関係を検討し、睡眠時間が短いことは2年後の情動障害の症状と、男児の行動障害の症状を起こすリスクの増加に関連していたと報告した。結果はJAMA Network Open誌電子版に2019年12月27日に掲載された。

 小児の睡眠時間と精神的健康状態を調べた観察研究はこれまでにも行われているが、自己申告による主観的な睡眠時間を用いた研究が多く、誤認のため必ずしもデータの正確性が担保されていない。また、疾患を発症したことが原因で睡眠時間が変化する逆の関係も考えられるため、睡眠時間とメンタルヘルスの関係は明らかではなかった。そこで著者らは、客観的な睡眠時間の測定と、検出率を担保した質の高い手法で、小児の睡眠時間と情動障害や行動障害の関係や性差を調べることにした。

 小児の心理社会的発達と関連する要因を調べるために、ノルウェーのTrondheimで実施され現在も継続中のコホート研究Trondheim Early Secure Study(TESS)の参加者のデータを対象にした。TESSでは、2003年1月1日から2004年12月31日までに出生した小児に参加を呼びかけ、参加者が4歳の時点からデータ収集を開始して、2年ごとに調査を繰り返している。

 参加者の両親にスクリーニング用の質問票としてStrengths and Difficulties Questionnaire(SDQ)を送付し、それぞれの年齢に合わせた質問に回答してもらいSDQスコアを調べた。スコアにより0~4点、5~8点、9~11点、12~40点の4段階に分類し、検出力を上げるため、分析対象者の中でスコアの高いグループの比率を増やすようにした。

 小児の睡眠時間は、小型の3軸加速度センサーを腰に装着してもらい、入浴やシャワー中を除き、24時間連続で7日間計測してもらった。就寝時刻と起床時刻は別途記録してもらった。加速度センサーのデータは、Sadeh睡眠アルゴリズムを用いて解析し、睡眠時間を算出した。1日当たりの睡眠時間は1週間の平均値とし、夜間睡眠のみを対象とした。計測は2年に1度の間隔で、6歳、8歳、10歳、12歳の時に実施した。

 精神状態の評価は、6歳時点では両親を対象にした半構造化インタビューのPreschool Age Psychiatric Assessment(PAPA)を用いて実施した。8歳、10歳、12歳の時点では、Child and Adolescent Psychiatric Assessment(CAPA)を用いて両親と本人を別々に評価した。症状はDSM-IV-TRに従って、情動障害(分離不安、全般性不安障害、社会恐怖、特定恐怖症、大うつ病性障害、気分変調など)、または行動障害(注意欠損/多動性障害、反抗的行為障害、行為障害など)に分類した。

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