日経メディカルのロゴ画像

JAMA誌から
DPP-4阻害薬の死亡率減少は確認できず
3種類の糖尿病治療薬を比較するネットワークメタアナリシス

 SGLT-2阻害薬GLP-1受容体作動薬DPP-4阻害薬が2型糖尿病患者の死亡と心血管イベントに及ぼす影響とそれらの安全性を比較するネットワークメタアナリシスを行った英Imperial College Healthcare NHS Foundation TrustのSean L. Zheng氏らは、SGLT-2阻害薬とGLP-1受容体作動薬は患者の総死亡リスクを減らしていたが、DPP-4阻害薬はコントロールと比較した生存利益を示せなかったと報告した。結果はJAMA誌2018年4月17日号に掲載された。

 ガイドラインではメトホルミンで血糖管理目標を達成できない場合は、SGLT-2阻害薬やインクレチンベースの治療薬の追加を推奨している。これらの薬はいずれも血糖管理に有効性を示しているが、2型糖尿病患者の治療で最適なパスウェイを決めるためのデータは明らかではない。そこで著者らは、SGLT-2阻害薬、GLP-1受容体作動薬、DPP-4阻害薬の相対的な有効性と安全性を比較するネットワークメタアナリシスを計画し、死亡率や心血管イベント、有害事象を検討することにした。

 MEDLINE、Embase、コクランセントラルなどに2017年10月11日までに登録された研究の中から、2型糖尿病患者に対するランダム化対照試験で、SGLT-2阻害薬、GLP-1受容体作動薬、DPP-4阻害薬の間で比較を行っていた試験、またはプラセボや無治療と比較していた試験で、12週間以上追跡し、総死亡、心血管イベント、安全性のいずれかについて報告していた英語の論文を選んだ。

 主要評価項目は総死亡に設定。2次評価項目は、心血管死亡、心不全、心筋梗塞、不安定狭心症、脳卒中とした。安全性の評価項目は、有害事象(あらゆる有害事象、重篤な有害事象、脱落を余儀なくされた有害事象)と低血糖に設定した。クラス特異的な有害事象として、SGLT-2阻害薬は下肢切断、尿路感染症、性器感染症、GLP-1受容体作動薬は急性膵炎と網膜症、DPP-4阻害薬では急性膵炎にも注目した。

 ネットワークメタアナリシスの対象になったのは236件のランダム化対照試験で、合わせて17万6310人の患者が参加しており、31万166人・年追跡していた。3種類の治療薬同士を直接比較していた試験は、DPP-4阻害薬対GLP-1受容体作動薬が14件、DPP-4阻害薬対SGLT-2阻害薬が8件、GLP-1受容体作動薬対SGLT-2阻害薬が1件だった。コントロールとの比較を行った試験は、SGLT-2阻害薬が65件(4万9人)、GLP-1受容体作動薬が65件(5万5740人)、DPP-4阻害薬が83件(6万7958人)だった。

 バイアスリスクを調べたところ、236件中104件(44.1%)はコクランバイアスリスクツールの5分野でバイアスリスクが低かった。一方で、3件(1.3%)は割り付け隠匿のバイアス、16件(6.8%)は盲検化バイアス、58件(24.6%)は症例減少バイアスが高かった。出版バイアスは認められなかった。

 総死亡率について報告していた試験は97件で、それらは13万4160人を登録していた。死亡数は計6035人だった。各群の死亡数は、SGLT-2阻害薬群714人(3.6%)、DPP-4阻害薬群1171人(3.9%)、GLP-1受容体作動薬群1195人(4.4%)、コントロール群2955人(5.2%)だった。コントロール群と比較した総死亡率は、SGLT-2阻害薬群のハザード比は0.80(95%信頼区間0.71-0.89)、絶対リスク差は-1.0%(-1.5から-0.6%)だった。GLP-1受容体作動薬はハザード比0.88(0.81-0.94)、絶対リスク差-0.6%(-1.0から-0.3%)だった。一方DPP-4阻害薬はハザード比1.02(0.94-1.11)、絶対リスク差0.1%(-0.3から0.6%)だった。

 SGLT-2阻害薬群とGLP-1受容体作動薬群の総死亡率は、DPP-4阻害薬群と比較しても有意に低かった。SGLT-2阻害薬群では絶対リスク差は-0.9%、ハザード比は0.78(0.68-0.90)、GLP-1受容体作動薬群ではそれぞれ-0.5%と0.86(0.77-0.96)になった。

この記事を読んでいる人におすすめ