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JAMA Intern Med誌から
若年性認知症の9つの危険因子を同定
アルコール中毒、脳卒中、抗精神病薬使用など

 青年期後期の男性約48万人を37年追跡した研究で、アルコール中毒脳卒中など、若年性認知症の罹患の有無に有意に関係する危険因子が9つ同定された。スウェーデンUmea大学のPeter Nordstrom氏らが、JAMA Internal Medicine誌電子版に2013年8月12日に報告した。

 高齢化が進む先進国では、認知症患者の増加に対する危機感が強まっている。65歳未満で診断される若年性認知症は、高齢者の認知症と異なり、症状が多様で非定型的だ。若年性認知症の一部は遺伝的な変異と関連づけられているが、それ以外の危険因子についてはほとんど明らかになっていなかった。危険因子の同定は、若年性認知症に関する理解を深め、一般集団に対する予防法の開発に結びつく可能性がある。

 著者らは、若年性認知症罹患に影響を与える危険因子のうち、青年期後期に同定できる要因を、過去に行われた研究で指摘された認知症危険因子候補(認知機能、身体特性、社会経済学的要因、何らかの疾患の診断、医薬品の使用、遺伝的な要因など)の中から探そうと考えた。

 スウェーデンの徴兵登録から、分析対象となるコホートを選んだ。兵役義務により1969年9月15日~79年12月31日に徴兵された全てのスウェーデン人男性(慢性疾患の患者、障害のある患者、拘禁中の男性を除く全員が徴兵対象)のうち、条件を満たした48万8484人(平均年齢18歳)について、徴兵時に評価されていた危険因子候補の情報を得た。それ以外の危険因子(親の認知症罹患など)に関する情報も、同国のデータベースから入手した。

 2011年12月31日まで、全ての種類の若年性認知症の罹患の有無を追跡した。追跡期間の中央値は37年(レンジは0~41)で、487人が若年性認知症と診断された(有病率は10万人当たり91.7)。診断時の年齢の中央値は53.6歳だった。

 多変量Cox回帰分析により、若年性認知症の独立した危険因子を同定した。危険因子として有意(P<0.05)であることが明らかになったのは、アルコール中毒(ハザード比4.82[95%信頼区間3.83-6.05]、人口寄与リスク0.28[0.16-0.39])、脳卒中(2.96[2.02-4.35]、0.04[0.01-0.07])、抗精神病薬の使用(2.75[2.09-3.60]、0.12[0.04-0.20])、うつ病または抗うつ薬の使用(1.89[1.53-2.34]、0.28[0.09-0.28])、父親の認知症(1.65[1.22-2.24]、0.04[0.01-0.06])、薬物中毒(1.54[1.06-2.24]、0.03[-0.01から0.07])、徴兵時の認知機能が低い(1SD低下当たり1.26[1.14-1.40]、0.29[0.18-0.40])、徴兵時の身長が低い(1SD低下当たり1.16[1.04-1.29]、0.16[0.05-0.26])、徴兵時の収縮期血圧が高い(1SD低下当たり0.90[0.82-0.99]、0.06[0.02-0.14]、注;ハザード比は収縮期血圧が低いと若年性認知症リスクが低いことを示す)の9つで、9つの危険因子を合わせた人口寄与リスクは68%になった。

 危険因子の保有状況と若年性認知症リスクの関係を明らかにするために、ベースラインの認知機能に基づいて男性を3グループに分け、さらに各グループの患者を保有する危険因子が0個、1個、2個以上に層別化。認知機能が最も高かったグループに属する保有危険因子0個の人々を参照に、計9群の若年性認知症のハザード比を推定した。

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