日経メディカルのロゴ画像

学会トピック◎第39回日本静脈学会総会
下肢静脈瘤の血管内焼灼術ガイドライン発表
標準治療となったレーザーと高周波による焼灼術を対象

(写真提供:日本医事新報社)

 「下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術のガイドライン2019」が、第39回日本静脈学会総会(会期:7月4~5日、開催地:名古屋)で発表された。この領域では、レーザーによる血管内焼灼術(ETA)への保険適用を目前にした2010年に、「下肢静脈瘤に対する血管内治療のガイドライン」が作成されている。今回、その後のETAの普及を踏まえ、クリニカルクエスチョンとエビデンスに基づいた推奨を備えた標準的な診療ガイドラインとして全面的に改訂された。

 治療成績や安全性の向上により、現状でETAは伏在静脈の弁不全によって発症する伏在型静脈瘤の標準治療となっている。そこで新版では対象をETA、具体的には血管内レーザー焼灼術(EVLA)と高周波焼灼術(RFA)に絞った。

 新版におけるETAの適応は「有症状の一次性下肢静脈瘤」。対象となる静脈は、大伏在静脈、小伏在静脈、副伏在静脈とした。前版における適応は、(1)深部静脈の開存、(2)伏在静脈の平均径4mm以上、(3)有症状あるいはうっ滞性皮膚炎を伴う、(4)terminal valveあるいは大腿部穿通枝に弁不全を有する――との条件が列挙されていた。

 今回の変更理由として、機器や手技の進歩によって適応は変わりうること、欧米のガイドラインが個々の解剖学的な条件ではなく「有症状またはうっ滞性皮膚炎を合併する下肢静脈瘤」としていること、システマティックレビューから得られたエビデンスが限られていたこと、承認されている機器の添付文書との整合性などが挙げられた。

 下肢静脈瘤の症状として、下肢の重さ、だるさ、こむら返り、かゆみ、浮腫、疼痛、不快感などがある。こうした症状は整形外科的疾患によっても起こりうるほか、うっ滞性皮膚炎が皮膚疾患である場合もあることから、新版では超音波検査に個々の患者の状況を加味して、患者が訴える症状が下肢静脈瘤に起因したものかを慎重に吟味すべきとした。

 新版から設定されたクリニカルクエスチョンは、「ETAの適応は何か?」、「ETAにおいて高位結紮術の併施は有用か?」、「ETAにTLA麻酔(低濃度大量局所浸潤麻酔)は有用か?」、「ETA術後の圧迫療法は有用か?」の4件。これ以外に、バックグラウンドクエスチョン(基本的な事項であり今後臨床研究を行うことが難しいクエスチョン)として「ETAの禁忌は何か?」が、フューチャーリサーチクエスチョン(研究数が少なく現時点では推奨を決められないクエスチョン)として「ETA施行時に下腿の側枝静脈瘤に対する瘤切除や硬化療法の併施は有用か?」が設定された。

 また、ガイドラインの前半には、下肢静脈瘤に対するETAについて総合的な解説が掲載された。

この記事を読んでいる人におすすめ