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学会トピック◎第7回臨床高血圧フォーラム
降圧目標の素案が示され活発な議論
血圧測定法などに検討の余地との指摘も

 2019年に改訂される高血圧治療ガイドライン(JSH2019)では、降圧目標を引き下げるべきなのか、それとも据え置くべきなのか――。5月19~20日に京都市で開催された第7回臨床高血圧フォーラム(会長:三重大循環器・腎臓内科学教授の伊藤正明氏)において、高血圧治療における降圧目標の素案をめぐる活発な議論が交わされた。

 日本高血圧学会が主催した同フォーラムでは、会長特別企画の1つとして、JSH2019作成委員長の梅村敏氏(横浜労災病院病院長)と石光俊彦氏(獨協医大循環器・腎臓内科教授)が座長を務める「高血圧治療における降圧目標(SPRINT研究を踏まえて)」と題するセッションが設けられた。冒頭、座長からJSH2019での降圧目標の素案が提示され、これを元にガイドライン改訂に向けた議論が展開された。

 素案では、75歳未満で合併症のない一般成人の降圧目標を130/80mmHg未満としている。合併症がある患者については、冠動脈疾患患者、糖尿病患者、蛋白尿の見られるCKD患者では130/80mmHg未満を、75歳以上の高齢者、脳血管障害患者、蛋白尿の見られないCKD患者では140/90mmHg未満を、それぞれ降圧目標とする。

 また、生活習慣修正の開始を推奨する基準として、120/80mmHg以上を提示。75歳未満で合併症のない一般成人では、心血管病の罹患・既往や心血管系臓器障害がなく糖尿病などの主要な危険因子がない症例の場合、140/90mmHg以上を降圧開始とする、などの案となっている。なお、家庭血圧は診察室血圧より5mmHg低い血圧値を目安とすることや、脳血管障害患者においてはラクナ梗塞、脳出血、くも膜下出血、抗血栓薬服用中の症例では130/80mmHg未満を目指してもよい、と記載されている。

 これらは、120/80mmHg未満への厳格な降圧治療の有用性を検証したSPRINT試験の結果や、2017年に高血圧基準値を130/80mmHgに引き下げた米国の新しい高血圧診療ガイドライン(ACC/AHA2017)を踏まえた暫定案とみられる。

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