最高裁判所はこのほど、2012年の医事関係訴訟事件に関する統計を公表した。それによると、2012年の医事関係訴訟の新規受理件数は793件でほぼ横ばい(図)で、平均審理期間も24.5カ月と変化は見られなかった。
また、2012年の地方裁判所における医事関係訴訟の認容率(判決のうち、原告の請求を一部でも認める割合)は22.6%だった。かつては40%前後を推移していた医事関係訴訟の認容率だが、5年前に20%台となってから大きな変化はない。地裁の民事第一審通常訴訟事件全体の認容率は84.4%であることを考えると、医事関係訴訟で被告となる医療者側の主張が認められやすい状況にあるのは間違いなさそうだ。
そのほか、2012年の統計によると、診療科目別の地裁での既済件数(決着の付いた件数)では、内科が164件と最も多く、以下、外科(145件)、整形外科(99件)と続いた。一般的に訴訟が多いといわれる産婦人科は59件。2000年代半ばには産婦人科の既済件数は150件前後で推移しており、減少傾向にある。
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