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BMJ誌から
単純性虫垂炎への抗菌薬治療は有効で安全
虫垂切除術と比較した最新のメタ分析の結果

 急性単純性虫垂炎に対する一次治療としての抗菌薬投与は、虫垂切除術と比べて合併症リスクは有意に低く、入院期間にも差はないことが、最新のメタ分析で明らかになった。英Nottingham大学病院のKrishna K Varadhan氏らが、BMJ誌電子版に2012年4月5日に報告した。

 急性虫垂炎患者のうち、複雑性虫垂炎(壊疽性/穿孔性/膿瘍形成性の虫垂炎)は全体の20%程度に留まる。それ以外の単純性虫垂炎の患者には抗菌薬治療も選択肢になると考えられており、実際に適用されている。にもかかわらず、その有効性と安全性を支持する質の高いエビデンスはなかった。

 そこで著者らは、近年行われた質の高い無作為化試験を対象に、急性単純性虫垂炎に対する一次治療としての抗菌薬投与と虫垂切除術について安全性と有効性を比較するメタ分析を行った。

 分析対象としたのは、血液検査、超音波検査、CT検査などによって急性単純性虫垂炎と診断された成人患者を対象に、抗菌薬投与と虫垂切除術の転帰を比較していた無作為化試験とした。

 主要評価指標は、各研究が共通して報告していた合併症に設定した。具体的には、抗菌薬群については、「穿孔性/壊疽性虫垂炎または腹膜炎と、後に虫垂切除術を受けた患者の創感染」とし、虫垂切除術群については、「穿孔性虫垂炎または腹膜炎と創感染の発生件数」とした。2次評価指標は、入院期間、再入院、複雑性虫垂炎(抗菌薬群では抗菌薬治療開始後、虫垂切除術群では手術時に同定されたケース)の罹患率などに設定した。

 メタ分析では、診断時から抗菌薬が投与された患者を抗菌薬群とした。Intention-to-treat分析を基本とし、抗菌薬投与を受けていたが改善せずその後虫垂切除術を受けた患者も抗菌薬群に含めた。

 4件の無作為化試験が条件を満たした。合計900人の患者が登録されており、470人が抗菌薬、430人が虫垂切除術に割り付けられていた。抗菌薬群に適用された薬剤は、「アモキシシリン+クラブラン酸を継続使用」が1件、「セフォタキシム+メトロニダゾール投与後、シプロフロキサシン+メトロニダゾールに切り替え」が1件、「セフォタキシム+チニダゾール投与後、オフロキサシン+チニダゾールに切り替え」が2件だった。

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