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 最期を病院で迎えるか、それとも介護施設や自宅で迎えるか──。多死時代に入り、我が国では終末期のあり方が重要な社会問題となっている。

 『日経ヘルスケア』6月号で、看取りをテーマにした特集記事を担当した。取材中、頻繁に耳にしたのが、「昔は病院で最期を迎えるのが当たり前だったが、それ以外の選択肢について考える人がこの5年くらいで急に増えてきた」など、国民の死生観が変わってきているという意見だ。

 2012年の新語・流行語大賞では「終活」がノミネートされ、2013年には特別養護老人ホームの医師である石飛幸三氏の著書『「平穏死」のすすめ』がベストセラーになった。胃瘻の是非をめぐる問題が取り沙汰されたのもこの頃で、2014年度診療報酬改定では、延命のために安易に造設する胃瘻を減らす目的で胃瘻造設術の評価が大幅に引き下げられた。

 こうした国民ニーズの変化に加え、国も社会保障費の増大を防ぐなどの目的で「病院以外の介護施設や自宅での看取り」を推進する方針を明確に打ち出すようになった。厚生労働省の調査によれば、この10年で年間の死亡者数は1.25倍に増加しているが、同じ期間で介護老人保健施設での死亡者数は4.02倍、特別養護老人ホーム・有料老人ホームなどでは3.40倍と大きく伸びている(図1)。看取りに取り組む施設は着実に増えているといえる。

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