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 今年は2年に1度の診療報酬改定が行われる。まさに中央社会保険医療協議会(中医協)は改定に向けた議論の真っ只中だが、その中でひっそり(?)と次期改定に向けて先送りされた話題があった。それは、「大病院からの長期処方は、薬局で分割して調剤しよう」というものだ。

 この話題が出た背景には、医療機関から長期処方された薬剤を患者がきちんと飲めておらず、本来なら飲まれるはずの薬が患者宅で余っているという、いわゆる残薬の問題がある。

 残薬の何が問題なのか? 使用期限を過ぎた薬剤を患者が飲んでしまうなど安全性の問題があるのはもちろんだが、問題になっているのはその薬剤費。本来は治療上必要な医療費だったが、結果的に無駄になっている部分があるのではないか、ということだ。

 2012年の調剤報酬改定では、残薬の問題が取り上げられ、薬局が患者に残薬の状況を確認することが点数の要件に入った。その流れで、患者の残薬を整理したり、処方医に情報提供をして処方量を調節してもらうよう依頼する取り組みも行われている。

 患者がきちんと薬を飲めていないのには様々な理由があり、薬局薬剤師は以前から「いかに飲ませるか」に、あの手この手の工夫をしてきた。しかし、このところ長期処方が一般化して、大量の薬剤を一度に患者に交付するようになり、問題は大きくなっている。

 もちろん、定期的に患者のコンプライアンスを確認してその都度、医療従事者が飲めるようにアプローチできればよいのだが、次の受診や来局までの間は介入できていないのが現実だろう。

 もし、薬局での長期処方の分割調剤が広く行われるようになれば、例えば2週間に一度など、患者が薬局に立ち寄った際に、薬剤師が服薬コンプライアンスや副作用のチェックを行い、状況によっては処方医に連絡して、剤形や処方変更などの適切な対応を取れる可能性がある。
 

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