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医療経済実態調査に日薬が見解
薬剤師1人当たり給与を削減し増員の傾向

 中央社会保険医療協議会(中医協)総会が2019年11月27日開催され、11月13日に公表された第22回医療経済実態調査の結果に対して(関連記事:「薬局損益率は1.4ポイント減、薬剤師給与も減少」)、診療側と支払い側から見解が示された。

 保険薬局については、2018年度の損益率が1.4ポイント減の5.1%だった。日本薬剤師会は、個人立、法人立ともに損益率が減少しており、非常に厳しい状況となっているとの見解を示した。

 また、保険薬局1施設当たりの固定負債は約1400万円であり、損益率を勘案すると資金繰りが厳しいとした。

 実調では、損益率を同一グループが展開する店舗数別にみると、1店舗のみの薬局では1.2%(17年度1.9%)、2~5店舗の薬局では2.0%(同3.9%)、6~19店舗の薬局では7.2%(同8.3%)、20店舗以上では7.6%(同8.9%)だった。

 このうち、日薬は同一グループ5店舗以下の小規模な薬局に着目。損益率が4~5割と大幅な減益になっており、地域の医薬品供給の中核を担っていると考えられる薬局で、このままの状況が続けば、今後の地域の医薬品供給に支障を来すことにもなりかねないと、危機感を示した。

 また、後発医薬品の調剤割合の増加や薬価改定によって費用の医薬品等費は若干減っているが、医薬品の備蓄品目数の増加などの影響で、管理コストの給与費等が増加。薬剤師1人当たりの給与は、管理薬剤師と管理薬剤師以外の薬剤師ともにおおむね平均給料は増えているが、賞与が減っているため、トータルの給与が減ってしまっていると指摘。

 その一方で、保険薬局1施設当たりの保険薬局1施設当たりの給与費は増加しており、薬剤師1人当たりの給与を削減して、対人業務や在宅業務などの充実のために薬剤師を増員していることが分かると分析した。実際、1店舗当たりの管理薬剤師を除く薬剤師は、17年度は23.8人月から24.5人月に増加していたという。

 なお、診療側の実調に対する統一見解としては、「医療機関等は総じて横ばいの経営状況となったことが示された」とした。また、医師の働き方改革を実現するためには、タスクシフト/シェアやチーム医療の強化と、そのための人員確保は喫緊の課題であるとした。

 さらに、足元の賃金動向は、他の産業に比べて賃金の伸びは低く、看護補助職員など野人員確保が難しい状況であり、この状況が続けば医療従事者の確保に困難を来し、医療サービスの低下を招く恐れがあるばかりか、医療技術の進歩などによる医療の質の向上に対応できないと考えられると締めくくった。

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