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電子処方箋の運用ルールを新たに模索
実証事業を年度内に開始し課題を検証

厚生労働省の安川孝志氏(左)と勝山佳菜子氏

 厚生労働省は2018年10月、電子処方箋の本格運用に向けた実証事業の公募を開始した。19年2月ごろに事業を開始し、3月末までに結果や課題を整理して報告書として取りまとめる予定。

 電子処方箋について、厚労省は16年3月に「電子処方せんの運用ガイドライン」を策定するとともに、関連省令を改正し作成、交付、保存ができるようにした(関連記事:「電子処方せんの運用ガイドライン」公開)。

 しかし、(1)ガイドラインは紙の「電子処方せん引換証」を用いる方法を示しており完全電子化ではない、(2)運用システムのコストを誰がどの程度負担するのか不明、(3)電子署名に必要なHPKIカードの普及が進んでいない──ことなどが背景にあり、現在、ガイドラインに準じて電子処方箋が運用されている地域はない。

 この状況を踏まえて、18年6月15日に政府が閣議決定した「未来投資戦略2018」や「規制改革実施計画」では、ガイドラインの変更や、ガイドラインに限らず円滑な運用ができる仕組みを検討し、18年度中に結論を得ることを求めている。

 今回の厚労省による実証事業の公募は、この要望を受けてのもの。厚労省医薬・生活衛生局総務課課長補佐の勝山佳菜子氏は、「従来のガイドラインにとらわれず、医療機関と患者と薬局の3者が使いやすい仕組みを新たに構築するのが今回の事業の目的。電子処方箋の事業はこれまで実施例がないため、現時点では課題はおろか、電子処方箋導入のメリットすらも分からない状態になっている。まずは事業を開始し、メリットや問題点を抽出したい」と説明する。

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