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健康情報拠点薬局に関する検討会がスタート
薬局の資質問う意見とともに、予防医療の担い手として期待する声も

 厚生労働省は6月4日、「健康情報拠点薬局(仮称)のあり方に関する検討会」(座長:昭和薬科大学学長の西島正弘氏)の初会合を開催した。

 2013年6月に閣議決定された日本再興戦略に「薬局・薬剤師を活用したセルフメディケーションの推進」が盛り込まれていることを受けて、地域に密着した健康情報拠点としてふさわしい薬局の定義や名称、基準の策定、公表の仕組みを検討するのが目的。これらの検討課題について、今後4~5回程度会合を開き、15年夏ごろまでに取りまとめる。

 検討会の構成員は、日本薬剤師会、日本医師会、日本看護協会など医療関係者のほか、北海道江別市長の三好昇氏、NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長の山口育子氏など12人で構成されている(表1)。第1回目となる4日の会合では、事務局である厚労省医薬食品局総務課から健康情報拠点薬局に関するこれまでの経緯が説明された後、自由な意見交換が行われた。

 薬局が地域の健康情報の拠点になることについて、日本医師会常任理事の羽鳥裕氏は、「患者が複数の医療機関にかかり、それぞれの門前薬局で薬を受け取るだけのような現状がある。患者と薬剤師が顔の見える関係になっていない薬局も多い中、薬局が健康情報拠点になり得るのか」と発言。

 また日本看護協会常任理事の中板育美氏は、健康情報拠点薬局が果たす具体的な役割について、「薬剤師が食生活や運動など予防医療における役割をどこまで担うのか。健康に関することなら何でもやるということになると、本来の薬の専門家という位置付けが薄れ、患者が混乱するのではないか」との考えを示した。

 一方、健康情報拠点薬局に期待する声も聞かれた。

 産経新聞社編集局論説委員・文化部編集委員の佐藤好美氏は、「薬局には地域包括ケアの中で、他職種と連携し、患者と顔の見える関係を作って、きちんとした役割を果たして欲しい。薬局が、地域住民が健康に関して相談できる窓口になり、予防医療を担える存在になることを期待している」と発言。

 北海道江別市長の三好昇氏は、「少子高齢化が既にかなり進んでいる地方では、医療・介護に関わる人材不足が非常に深刻。限られた人材で地域住民の健康を守るために、地方では都市部以上に薬局に対する期待は大きい。地域住民の健康維持に真摯に取り組む薬局を評価し、安定して事業が行える仕組みを作ってほしい」と訴えた。

 こうした意見に対し、日本保険薬局協会常務理事の二塚安子氏は、「事業主の一人としてこの議論のまっただ中にいる。医薬分業が進み、薬局業界はこの20~30年成長してきたが、経済性が重視されていびつに成長してしまった面もある。薬局薬剤師の本来の役割は、薬に関する相談を受けながら、地域住民が健康に暮らすために様々な手伝いをすること。薬局がこの原点に戻るよう是正するのが、この検討会なのではないかと受け止めている」と話した。

 次回の会合は6月18日の予定だ。

【関連資料】
第1回健康情報拠点薬局(仮称)のあり方に関する検討会 資料

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