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アレルギー治療薬(その2)
第2世代抗ヒスタミン薬の眠気を検証する

2010/12/30

 今回は、前回の第1世代に続き、第2世代抗ヒスタミン薬の特徴について解説したいと思います。

■はじめに
 第1世代ほど眠気の副作用を起こさないとされる第2世代の抗ヒスタミン剤ですが、それでも、眠気に対して注意の必要な薬剤は多くあります。

 各論で、特に眠気に言及していないものは、添付文書上に「危険な作業に従事させてはいけない」と記載されているものです。こうした記載が、第2世代抗ヒスタミン薬の眠気の程度を表していると考えてよいでしょう。投薬時には、患者が従事している仕事について確認し、必要に応じて、眠気に関する注意を促す必要があるでしょう。またこの時期は、受験を控えている学生さんもいますから、配慮が必要になります。

 当社では、タクシー運転手にアレグラを調剤すべきところ、アレロックを調剤してしまったというヒヤリハット事例が発生しました。投薬する前に発見できましたが、もし服用して事故を起こしたら、大変なことでした。

 眠気以外の副作用としては、けいれん、肝障害、血小板減少などに注意が必要です。医師は、眠気の強弱や効果の強弱のほかに、服用回数や服用時点も考慮して処方していますので、服用回数の特徴も把握しましょう。


■ケトチフェンフマル酸塩(商品名:ザジテンほか)=1日2回(朝、寝る前)

 副作用で、けいれんや興奮が現れることがあります。点眼、点鼻でも眠気が起きるほど、眠気も起きやすい薬剤です。乳児にも処方可能ですが、けいれんなどに注意が必要です。OTC薬としても発売されています。


■アゼラスチン塩酸塩(商品名:アゼプチンほか)=1日2回(朝、寝る前)

 添付文書に「慎重投与」の項が設定されていない薬剤です。OTC薬としても発売されています。


■オキサトミド(商品名:セルテクトほか)=1日2回(朝、寝る前)

 乳児にも使用可能ですが、特に2歳未満の子供は錐体外路症状が出ることがあるので注意が必要です。妊婦への投与は禁忌です。


■メキタジン(商品名:ゼスラン、ニポラジンほか)=1日2回

 前回紹介したように、第1世代の抗ヒスタミン薬では、ヒドロキシジンを除いて、すべて抗コリン作用に基づく禁忌があるのに対し、第2世代の薬剤で「緑内障」「前立腺肥大等の下部尿路の閉塞性疾患」が禁忌とされているのは本剤のみです。光線過敏症を起こすこともある薬剤です。抗精神病薬と同様の、フェノチアジン系化合物です。

 第2世代の中では、OTC薬として最もよく使われている成分です。


■エピナスチン塩酸塩(商品名:アレジオンほか)=1日1回

 危険な作業は「注意」とされています。アレジオンドライシロップは、配合変化が多いため、原則として単独調剤です。OTC化が2009年11月に承認されていますが、まだ発売はされていません。


■エバスチン(商品名:エバステルほか)=1日1回

 危険な作業は「注意」とされています。エリスロマイシンとの併用で活性体の血漿中濃度が2倍になることが報告されていますので、相互作用に注意が必要です。


■セチリジン塩酸塩(商品名:ジルテックほか)=1日1回(寝る前)

 レボセチリジン(商品名:ザイザル)の発売で、使用状況が大きく変わりそうです。ヒドロキシジンと構造が似ており、ヒドロキシジン過敏症のある人に投与禁忌です。本年11月25日の薬事・食品衛生審議会で、スイッチOTC化が了承されました。


■エメダスチンフマル酸塩(商品名:ダレン、レミカットほか)=1日2回(朝、寝る前)

 眠気については、「日常生活に支障が見られる場合がある」と添付文書でも注意が促されていますが、実際、強い眠気が現れることがあります。特に1日4mgでの服用では相当な眠気になるおそれがあることが、添付文書にも書かれています。OTC薬も1種類、発売されています。


■オロパタジン塩酸塩(商品名:アレロック)=1日2回(朝、寝る前)

 ケトチフェンとの比較試験で、蕁麻疹に対する有意な効果が認められています。発売時に有用性加算もついた薬剤です。OD錠も発売されています。本年11月25日の薬事・食品衛生審議会で、スイッチOTC化が了承されました。
 

著者プロフィール

笹嶋勝(日本メディカルシステム株式会社〔東京都中央区〕)
ささじま まさる氏。大学病院でDI(医薬品情報管理)業務の責任者として8年間勤務した後、現在は、薬局チェーン「日本メディカルシステム」の学術部門長として勤務。東京薬科大学薬学部客員教授。

連載の紹介

笹嶋勝の「クスリの鉄則」
過去に自ら経験した症例やDI業務の中で収集した膨大な情報を基に、医薬品を安全かつ有効に使うために必ず押さえなければいけないポイントを整理し、後進の指導に活かしてきた笹嶋氏。本コラムでは、そのエッセンスを「クスリの鉄則」として紹介していきます。

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