
CMRでは、実習生のヘザーさん(右)が患者さんの薬についてゆっくり相談を受けました。
前回(「6週間の実務実習を引き受けました」)から引き続き、今回はピッツバーグ大学(ペンシルベニア州)薬学部の実習生、へザーさんが実習中に取り組んだMTM(Medication Therapy Management)を紹介します。
MTMは、患者さんの薬物治療を最適化することで、保険会社から薬局に報酬が与えられる仕組みです。対象となる患者さんに介入すると、1件当たり20~50ドルの収入になります。
へザーさんはMTMで、CMR(Comprehensive Medication Review、包括的薬物レビュー)や、価格の低い薬剤への変更、必要な薬剤の追加、適切な用量への変更などの介入をしました。
CMRでは、あらかじめ予約をしていた時間に、患者さんに来局してもらいます。患者さんには、現在服用しているすべての薬と、OTC薬、サプリメントを持ってきてもらいます。
そして薬剤師が、処方薬が適切であるか、OTC薬やサプリメントと危険な相互作用がないかを確認します。なお、Youtubeでアウトカムズ社がCMRに関する情報を提供しています。
今回へザーさんが介入した症例の1人は、COPDの患者さん。アドエア(一般名サルメテロールキシナホ酸塩・フルチカゾンプロピオン酸エステル)を使用していました。CMRでゆっくり患者さんのお話を聞くと、「暑くなってくると、ついつい息が切れて使い過ぎる」と言います。
おっと! アドエアは発作時に使用する薬ではありません。患者さんには、発作時に使用すべきアキュネブ(アルブテロール、日本未発売)を紹介し、ドクターに処方の必要性を説明して、アキュネブを追加してもらいました。