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アトピー患児はホクナリンテープの後発品に注意

2015/09/24

 日本アレルギー学会の『喘息予防・管理ガイドライン2015』(協和企画、2015)が、今年5月に発刊されました。薬物療法における最も大きな変更点は、長時間作用性抗コリン薬(LAMA)がステップ3~4(中等症持続型~重症持続型)の基本治療に加えられたことです。また、初めて高齢者の慢性閉塞性肺疾患(COPD)合併喘息の基本治療が提示され、喘息を疑う症状が1つでもあればステロイド吸入を行うことが推奨されました。これらは、既に様々なところで紹介されています。

 さて、ガイドラインの「7.薬物によるコントロール」の長時間作用性β2刺激薬(LAMA)の項目をみると、ツロブテロールテープ(商品名ホクナリンテープ他)のことが書かれています。そこに「貼付薬は後発品が使用可能であるが、薬物貯留システムの違いから皮膚の状況によっては先発品とは経皮吸収速度が異なるため、注意が必要である」と書かれています。実は、このことは「小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2012」にも記載されています。

 ツロブテロールテープを先発品から後発品に変えることによって喘息の症状が増悪することは、ツロブテロールテープの後発品が上市された直後から言われてきました。文献を調べると、先発品から後発品に切り替えたところ、思わぬ増悪をみた2症例を08年に藤宮らが報告しています1)

 今回のガイドラインで引用された文献2)では、ラットの角質層をテープで剥がし、ツロブテロールの皮膚への透過性を調べています(図1)。ツロブテロールの皮膚への浸透は、貼付薬からの放出と角質層の浸透という2つの律速段階があります。正常な皮膚にテープを貼ってもホクナリンテープと後発品では差がありません。しかし、角質層を剥がすと、後発品では皮膚浸透性が一気に亢進します。ホクナリンテープは薬物のテープからの放出が制御されています。しかし、後発品ではテープからの放出性はあまり制御されておらず、角質層の律速段階が壊れると、放出性が制御できなくなることを、このデータは示しています。

著者プロフィール

松本康弘(ワタナベ薬局上宮永店〔大分県中津市〕)
まつもと やすひろ氏。1956年生まれ。熊本大学薬学部卒業後、大手製薬企業の研究所勤務を経て、2001年に株式会社ワタナベに転職。最初に配属された店舗で、小児の服薬指導の難しさや面白さに魅せられ、患者指導用のパンフレットの作成などを積極的に行うようになった。小児薬物療法認定薬剤師。

連載の紹介

松本康弘の「極める!小児の服薬指導」
小児科門前の薬局で、小児の服薬指導に日々奮闘する松本氏が、日常業務で感じたことや、子どもに薬を飲んでもらうための工夫の数々を紹介します。明日から使える具体的なノウハウ満載!学会で仕入れた、小児科診療の最新トピックスなども飛び込みで紹介します。

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