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あなたの薬局の防犯対策、万全ですか?

2015/07/22
清水篤司

 米国では、日本では考えられないくらいの高頻度で、薬局をターゲットとした強盗や空き巣事件が生じ、話題になっています。銃社会と呼ばれるだけあり、薬局薬剤師が命の危険にさらされることもしばしばあるようです。まずは、米国の薬局で実際に起きた事件を、3つご紹介したいと思います。

薬剤師が人質を解放し強盗事件を解決
 Daily News New Yorkのオンライン版が6月9日付で報じたところによると、アラバマ州の薬局に銃を持った男が押し入り、従業員と客合わせて5人を人質に取り、薬を奪おうとする事件が起こったそうです。

 その薬局の薬剤師であるDonna Weatherfordさんが、まず、犯人を説得して、彼女以外の人質を解放させることに成功しました。残った彼女は犯人をなるべく落ち着かせるように努め、「薬局内にある欲しいものは全部持って行ってよい」と犯人に伝え、犯人が探していた薬を取りそろえました。その後、彼女に差し出された薬を飲んだ犯人は薬局の中で寝てしまい、犯人から銃を取り上げることに成功した彼女が薬局外に脱出して事件は解決したそうです。この件を報じた様々なメディアは、彼女の勇敢さと冷静さを賞賛していました。

 テキサス州にあるテレビ局KEYE TVのニュースサイトは、テキサス州ヒューストンを拠点とするギャングのメンバーが薬局から現金や医薬品を盗んだ容疑で告発されたと4月23日付で報じています。彼らは自分達が拠点としているヒューストンでは窃盗事件を起こさず、オースティンなどの別の街へ出向いて昨年1月から今年1月までの1年間に合計18回も窃盗を繰り返し、奪った規制医薬品を地元のヒューストンで売りさばいていたようです。驚いたことに、この報道によると、彼らが薬局に押し入ってから、金品を奪って出るまでに要した時間は2分未満だったとか。

 大胆にも、薬局の壁に大きな穴を開けて侵入した空き巣事件もあります。

 Pharmacy Timesのオンライン版に5月21日付で掲載された“Thieves Cut Hole in Hospital Pharmacy’s Wall to Steal Pills, Cash”という記事では、病院内にある薬局の薬剤師がある朝出勤し、薬局の壁に大きな穴が開いているのを見つけたという事件が紹介されていました。

 数時間後に、病院の近くで不審な行動を取っていたため通報され捕まった犯人は、痛みの治療を受けるため救命救急室(ER)に来ていた女性でした。彼女は共犯の男性と共にERの壁に穴を開けて薬局内に侵入し、現金や医薬品を奪って逃走していたのです。

日本でも薬局に空き巣が侵入
 米国の事件ほど派手なものは少ないと思いますが、日本でも薬局が空き巣に入られるなどの事件は生じています。私の知人にも、空き巣被害にあった薬局の方がいます。その方の薬局に入った犯人は医薬品には全く手を付けず、足が付きにくい現金を狙っていたそうです。一方、薬局側は、奪われた釣銭以上の痛手を被ったと言っていました。

 それは、レジをこじ開けるのに手間取った犯人が、レジを無理に引っ張り、電源コードを引きちぎってレジごとを持ち去ったからです。セキュリティ会社から侵入者の第一報を受けた開設者と管理薬剤師が駆け付けた時には、切れた電源コードの先から火花が散っていたそうです。もし、その周囲に可燃性のものがあったなら、火事になっていたかもしれません。不幸中の幸いで火事にはならなかったものの、その薬局では翌朝からさっそく会計の処理に困ったそうです。

連載の紹介

まいにち薬剤師
保険薬局や医療機関、大学、研究機関、製薬企業、医薬品卸などで働く薬剤師に、日々の業務や日常生活を通じて感じたこと、考えたことを、つれづれなるままに執筆いただくコーナーです。さまざまな薬剤師に、単回もしくは不定期に登場していただき、薬剤師の視点から話題を提供してもらいます。このコーナーへの寄稿を希望される方は、お問い合わせフォームから編集部にご連絡ください。

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