
以前、本コラムでも触れましたが、米アマゾン・ドット・コムが薬局を始めたというニュースが流れてきました(関連記事:「アマゾン薬局」は脅威なのか?)。そしてそれに追随するように、関連した解説記事もネット上などで散見されるようになりました。
基本的には米国での出来事ですが、その後の報道のされ方や、諸々の特集記事などを読むにつけ、その衝撃度が極めて大きいことを日本にいながらも感じることができます。
個人的な話で恐縮ですが、2000年にアマゾンの日本語サイトがオープンして以来、私はアマゾンを積極的に利用してきました。「like」より「love」だというぐらいに、アマゾンは日常的に使ってきました。しかし、これまでアマゾンが“破壊”してきた(というより、消費者としての私自身が、その恩恵を享受してきた)書籍、玩具、スポーツ商品、生活雑貨などとは比べものにならないくらい、処方薬は消費者の「ニーズ」も「ウォンツ」も高いわけです。
アマゾンの競争優位性や保険調剤市場のマーケットサイズを考えると、薬局経営者としては固唾をのんで見守るような思いになりますし、個人的には「love」の対象であったアマゾンが、「アマゾン薬局」として突如対峙(たいじ)すべき対象になるというのは、ドラマや小説のようで複雑な思いでもあります。
では、このまま、指をくわえて見ているしかないのか、となると、そうでもないと思うのです。米国でのリアル薬局が受ける影響と比べて大きいのか小さいのかはわかりませんが、いずれにせよ、何らかの対応を考えて実行に移していかなければなりません。
私は、まずは米国と日本との医療や処方薬を取り巻く環境が違うことを念頭に、その共通点と相違点を比較してみることが大事だと感じています。