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第35回欧州心臓学会
Katz IndexでTAVI後の長期有用性を予測可能

ドイツGeorg August UniversityのMiriam Puls氏

 日本でも今秋から保険診療がスタートする経カテーテル的大動脈弁留置術TAVI)については、その有用性を長期にわたって享受できる患者を同定するための予後予測因子の探索が進んでいる。ドイツGeorg August UniversityのM. Puls氏らは、高齢者のADLを評価する指標であるKatz Indexが、TAVIの有用な患者同定に有効であることを欧州心臓学会(8月31日~9月4日、アムステルダム)で報告した。

 経カテーテル的大動脈弁留置術(TAVI;transcatheter aortic valve implantation)を実施する際は、併存疾患あるいは年齢を考慮し、中長期死亡率を検証したうえで対象を決定する必要がある。そのため、TAVIの有用性を長期にわたって享受できる患者を同定することが不可欠となっている。

 演者らは、さまざまな手術スコア(ロジスティックEuroSCORE I、EuroSCORE II、STS-スコア)をもとに、Katz Index(入浴、更衣、トイレ移動、移乗、排尿・排便コントロール、食事の6カテゴリについて、高齢患者のADLを評価するためのツール)についてTAVI後の長期生存率の予測能について調べた。

 対象は、2008年8月から2012年2月までにGeorg August UniversityでTAVIを受けた患者300人。経心尖法が158例、経大腿法が142例で、272例はEdwards社のSapien、28例はMedtronic社のCoreValveを留置した。女性198人、男性102人で平均年齢は82±5歳だった。144人はKatz Index<6とADLが低い状態だった。

 2012年に、全ての患者に対して電話連絡による追跡を行うとともに、死亡例についてはその原因を把握するため関連の医療記録を入手した。生存分析はKaplan-Meier法により行った。解析は、全コホート、Katz Index=6の患者群、およびKatz Index<6の患者群で比較検討した。

 その結果、全体のコホートでは登録時の平均ロジスティックEuroSCORE Iが26.0±14.7%、EuroSCORE IIが8.5±7.6%、STSスコアが7.3±5.4%だった。Katz Index=6群ではそれぞれ23.6±12.8%、7.5±6.0%、5.9±3.2%で、Katz Index<6群では28.8±16.3%、9.5±8.9%、8.8±6.7%だった。いずれのスコアもKatz Index<6群で有意に高いという結果だった(それぞれP=0.005、P=0.03、P<0.0001)。

 追跡期間の中央値537日の間に115人の患者が死亡した。全コホートの生存率は、半年時点で80%、1年時で72%、2年時で63%だった。Katz Index=6群ではそれぞれ90%、83%、74%だったのに対し、Katz Index<6群では68%、61%、53%だった(図1)。全死亡におけるKatz Index<6群のKatz Index=6群に対するハザード比は2.67(95%信頼区間[CI]:1.82-3.94、P<0.0001)だった。

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