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日本心血管インターベンション治療学会2012
冠動脈疾患の予防に有効な糖尿病治療とは
「血糖コントロール」から「血管コントロール」へ意識改革を

2012/08/22
編集部

岡山大学大学院循環器内科学教授の伊藤浩氏

 血糖コントロールから血管コントロールへの意識改革が求められている――。岡山大学大学院循環器内科学教授の伊藤浩氏からのメッセージだ。伊藤氏は、7月に新潟で開催された日本心血管インターベンション治療学会のシンポジウム「糖尿病の冠動脈疾患二次予防を考える」に登壇。「冠動脈疾患の予防に有効な糖尿病治療」のテーマで講演を行った。その内容をもとに、有効な糖尿病治療のエッセンスをうかがった。

―― 「血糖コントロールから血管コントロールへ」というメッセージはとても新鮮でした。なぜ「血管」へという意識改革を求めたのでしょうか。

伊藤 糖尿病患者は心血管イベントのハイリスク群なのです。しかし、血糖コントロールのみでは、心血管イベントを減らすことは難しい。もっと視野を広げて対応していく必要があるのです。

―― 講演では2型糖尿病の病態を解説され、その上で、定めるべきターゲットを提示し、具体的な治療方針にも言及されていました。

伊藤 ご存知のように、2型糖尿病の病態は「インスリン抵抗性」と「インスリン分泌不全」から説明できます(図1)。この2つがあいまって高血糖を生み出します。特に2型糖尿病の基盤にあるインスリン抵抗性、すなわちインスリンの効きにくい状態に注目しました。インスリン抵抗性があるために、食後高血糖、高血圧、脂質異常症、運動耐容能の低下そして易血栓性が生じるのです。これら全てが動脈硬化のリスクです。

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