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日本糖尿病学会2011
2型糖尿病患者の朝の家庭血圧高値は腎症と関連
現状の降圧目標達成率は低く、さらなる血圧管理が必要に

2011/06/14
編集部

京都府立医大の牛込恵美氏

 近年、外来血圧より家庭血圧の方が臓器障害との関連が強いことが報告され、家庭血圧管理の重要性が指摘されている。だが、糖尿病患者における家庭血圧の実態や糖尿病合併症との関連を見た研究は少ない。

 そこで京都府立医大病院糖尿病内分泌代謝内科の牛込恵美氏らは、2型糖尿病患者900例以上を対象に血圧の管理状況と糖尿病合併症などとの関連を検討。朝の家庭血圧高値は糖尿病腎症のリスクを高める可能性があると、第54回日本糖尿病学会年次学術集会(5月19~21日、開催地:札幌市)で発表した。

 今回の検討の対象者は、同大病院と関連病院に通院する20~89歳の2型糖尿病患者923例(男性506例)。平均年齢は65.3歳、体重指数(BMI)は23.9kg/m2、HbA1cは7.2%、糖尿病罹病期間は12.3年で、7割の患者が経口糖尿病薬による治療を受けていた。

 降圧薬を服用していた患者は57.7%(平均1.8剤)。使用薬剤ではレニン・アンジオテンシン系抑制薬(84.9%)とCa拮抗薬(61.0%)が多かった。

 家庭血圧については、家庭用の自動血圧計を貸与し、朝と夜3回ずつ2週間連続して測ってもらった。また、血圧計を貸し出す際にその場で3回測定し、外来血圧とした。

 患者の背景因子と血圧の関連を見たところ、年齢およびBMIについては、その増加に従って外来血圧・朝の家庭血圧ともに上昇傾向にあった。HbA1cについても5.8%以上では、同値の上昇に従って外来血圧・朝の家庭血圧ともに上昇していた。また、降圧薬服用者では非服用者に比べて、外来血圧・朝の家庭血圧ともに高くなっていた。

 日本高血圧学会の高血圧治療ガイドライン2009JSH2009)では、糖尿病合併高血圧の降圧目標について、外来血圧では130/80mmHg未満、家庭血圧では125/75mmHg未満としている。

 それぞれの収縮期血圧を閾値として対象患者を4群に分類したところ、コントロール良好群(外来血圧<130mmHg、家庭血圧<125mmHg)13.9%、仮面高血圧群(外来血圧<130mmHg、家庭血圧≧125mmHg)13.3%、白衣高血圧群(外来血圧≧130mmHg、家庭血圧<125mmHg)12.6%、コントロール不良群(外来血圧≧130mmHg、家庭血圧≧125mmHg)60.2%と、コントロール不良群が最も多かった。
 

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