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米国心臓病学会(ACC)2011
手術高リスク例へのTAVI、1年生存率はAVRと同等
AVRに対するTAVIの非劣性も証明、PARTNER-A試験

2011/04/19
編集部

米国・コロンビア大学のCraig R. Smith氏

 経カテーテル大動脈弁留置術TAVI)は2010年のPARTNER-B試験で示されたように、外科的大動脈弁置換術AVR)不能の大動脈弁狭窄症において薬物治療を上回る生命予後改善作用示す。このほど、AVR高リスク例を対象にAVRとTAVIとを比較したPARTNER-A試験から、1年間生存率は同等、生存率改善作用もAVRに対するTAVIの非劣性が明らかになった。

 第60回米国心臓病学会ACC2011、4月2~5日、開催地:米国ニューオーリンズ)のLate-Breaking Clinical Trialsで、米国・コロンビア大学のCraig R. Smith氏が報告した。

 PARTNER-A試験の対象は、AVRは可能だが高リスク、かつ、症候性で重度の大動脈弁狭窄を有する患者だ。具体的には、「AVRによる死亡率が15%以上と推算またはSTSスコアが10以上」のリスクと「NYHA分類II度以上の心不全」を認め、「大動脈弁口面積<0.8cm2または弁口面積係数<0.5cm2/m2」かつ「平均大動脈弁圧較差>40mmHg、または最高大動脈弁通過血流速度>4.0m/秒」の大動脈弁狭窄症が対象とされた。

 669例を登録し、まず大腿動脈からのカテーテルアプローチが可能かどうかを評価した。可能と判断された症例は、経大腿動脈アプローチによるTAVI群(244例)またはAVR群(248例)にランダムに割り付けられた。不可能と判断された症例は、小開胸する経心尖部アプローチによるTAVI群(104例)またはAVR群(103例)にランダムに割り付けられた。治療成績の比較は、2種類のアプローチのTAVI群を合わせた348例と2つのAVR群を合わせた351例との間で行った。

 TAVIに用いた人工弁は、PARTNER-B試験と同じく、米国Edwards社のSAPIENである。カテーテルは経大腿動脈アプローチでは22フレンチと24フレンチ、経心尖部アプローチでは24フレンチと26フレンチを用いた。また、本試験に参加した26施設中19施設では、試験前にTAVIの経験がなかった。

 ベースライン時の患者背景は、平均年齢が84歳、STSスコアの平均は11.8とリスクは高く、NYHA分類も94%がIII度以上だった。また、大動脈以外に血管病変を有する例、心房細動合併例がそれぞれ42%認められた。エコー所見などを含め、両群間に有意差はなかった。
 

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