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日本成人病(生活習慣病)学会2011
「血液サラサラ」は血中EPA濃度と有意に関連
LDLコレステロールとは関連せず、高コレステロール血症女性での検討

2011/01/28
大滝 隆行

ひつもと内科循環器科医院の櫃本孝志氏

 心血管疾患の既往がない閉経後高コレステロール血症の女性において、血液流動性測定装置MCFAN」(Micro Channel Array Flow Analyzer)による「血液サラサラ度」は、低比重リポ蛋白コレステロールLDL-C)とは関連せず、血中エイコサペンタエン酸EPA)濃度、酸化ストレスマーカーと有意な関連を示すことが分かった。運動習慣のない場合も、血液流動性が有意に悪化していた。ひつもと内科循環器科医院(山口県下関市)院長の櫃本孝志氏が、第45回日本成人病(生活習慣病)学会学術集会(1月15~16日、開催地:東京都千代田区)で発表した。

 MCFANは、採取した血液サンプル(全血100μL)を、毛細血管とほぼ同じ径のシリコンチップ状の微細な流路に流し、血液サンプルが通過する時間(血液流動性)を測定する装置。赤血球、白血球、血小板などが流れる様子を、顕微鏡で2000倍に拡大しながらリアルタイムで観察できる。エムシー研究所(東京都中央区)が医療機器として販売しており、「血液サラサラ度」を測る検査法として、テレビの健康・医学番組などで取り上げられることも多い。

 これまでの臨床研究から、血液流動性の悪化は喫煙、高血圧、心血管疾患危険因子の数、高感度CRP濃度と有意な関連が見られることや、心血管疾患の既往歴があると有意に血液通過時間が長く流動性が悪いことなどが分かっている。

 血液通過時間を三分位して心血管疾患の既往との関連をロジスティック回帰分析した結果、通過時間が78.0秒以上の最高分位では、最低分位(52.4秒以下)に比べ、脳梗塞もしくは心筋梗塞の発症リスクが8倍高い(P<0.0001)ことも判明した。

 LDL-Cは冠動脈疾患リスクを高める悪玉コレステロールとされているが、女性ではLDL-Cが高くても心血管疾患を発症せず経過する例が少なくない。そこで今回、櫃本氏は、高コレステロール血症女性における血液流動性と心血管危険因子との関係を検討した。

 対象は、心血管疾患の既往がない未治療の閉経後高コレステロール血症女性306例(平均70±9歳)。MCFANで得られた血液通過時間と、血清脂質値、運動習慣、血中EPA濃度、酸化ストレスマーカー(d-ROMsテスト)との関係を検討した。

 ヘモグロビン値11g/dL以下もしくは18g/dL以上、体調不良例、採血前日の飲酒例、採血条件により血液流動性低下を来したと判断した例、EPA製剤もしくは抗血小板薬服薬例は除外した。1回30分以上の運動を週2日以上、1年以上継続している例を「運動習慣あり」とした。
 

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