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米国心臓協会(AHA)2010
BNP製剤nesiritideで死亡・腎障害は増加せず
だが総死亡や入院抑制効果もプラセボと同等、ASCEND-HF試験

2010/12/14
編集部

米Duke Clinical Research InstituteのAdrian F Hernandez氏

 急性心不全患者に対する脳性ナトリウム利尿ペプチドBNP)製剤nesiritideの投与は安全かつ有効か――。2005年に発表されたメタ解析では、nesiritide投与に伴う死亡および腎障害の増加が指摘された。

 これを受けて行われたASCEND-HF(Acute Study of Clinical Effectiveness of Nesiritide in Decompensated Heart Failure)試験の結果が、第83回米国心臓協会・学術集会(AHA2010、11月13~17日、開催地:シカゴ)のLate Breaking Clinical Trialsで発表された。

 nesiritideによる死亡率増加などは見られず、安全性に関する懸念は払拭された。ただし、総死亡や心不全による入院などの抑制効果は、プラセボ群と変わらなかった。米Duke Clinical Research InstituteのAdrian F Hernandez氏が報告した。

 2001年、米食品医薬品局(FDA)はnesiritideが急性心不全患者の肺動脈楔入圧を低下させ呼吸困難を改善するとして、心不全治療薬としての適応を承認した。しかし、その後のメタ解析により安全性に懸念が生じたため、本試験が行われた。

 対象は急性心不全により入院した患者で、点滴治療開始から24時間以内、安静時あるいは最小限の活動時に呼吸困難がある場合とした。標準療法の実施下において、nesiritideを静脈投与する群(nesiritide群、3496例)あるいはプラセボ群(3577例)に割り付け、急性心不全発症後から168時間後まで投与した。

 nesiritideの投与量と投与方法については、開始時に2μg/kgをボーラス投与し、その後、0.01μg/kg/分を持続静注で最大7日間投与した。

 主要評価項目は、治療開始30日以内の心不全による再入院あるいは全死亡リスクの低下、治療開始6時間目および24時間目の呼吸困難の改善という複合エンドポイントとした。
 

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