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米国心臓協会(AHA)2010
狭心症患者へのARB、長期予後も改善
ARBの投与が独立した予後改善因子に、OLIVUS試験3年成績

2010/12/13
編集部

心臓病センター榊原病院の廣畑敦氏

 狭心症の治療では、冠動脈狭窄を引き起こす動脈硬化性プラークの進展抑制が必要だ。そして、それにはスタチンやチアゾリジン系薬剤が有効であることが示されている。

 降圧薬であるアンジオテンシンII受容体拮抗薬ARB)にも抗酸化作用などによってプラークの抑制効果があることが基礎研究などで示されているが、実際に冠動脈を評価した臨床研究はまだ知られていない。

 そこで、心臓病センター榊原病院(岡山市)循環器内科の廣畑敦氏らは、待機的冠動脈インターベンション(PCI)を実施した高血圧合併安定狭心症患者にARBオルメサルタンを投与して、そのプラーク退縮効果を血管内超音波法(IVUS)により検証した臨床研究「OLIVUS」を実施。そのプラーク退縮効果と予後に関する3年間以上の追跡結果を、第83回米国心臓協会・学術集会(AHA2010、11月13~17日、開催地:シカゴ)で発表した。

 本試験では、PCI施行後、対象者をオルメサルタン投与群(126例)または対照群(121例)に無作為に割り付けて12~16カ月間治療し、PCI施行時と12~16カ月後にIVUSによるプラーク計測を行った。IVUSによる評価は非病変部(狭心症の責任病巣ではない、狭窄度50%以下の部位)で行い、長軸方向40mm以上の血管を走査して得た多層断面画像データから、プラーク容積を算出した。

 オルメサルタンの投与量は20mg/日から開始し、最初の8週間で40mg/日を上限として最大耐用量まで増量した。試験薬以外ではβ遮断薬、Ca拮抗薬、利尿薬、硝酸薬、血糖降下薬、スタチンなどが、主治医の判断により併用投与されている。

 両群の登録時患者背景(年齢、性、身長、体重、喫煙歴、糖尿病合併、心筋梗塞既往、IVUS施行部位、併用薬、腎機能、HbA1c値、血清脂質値)に有意差は認められなかった。

 血圧については、オルメサルタン群が登録時の142.4/81.1mmHgから14カ月後には138.4/77.4mmHgに、対照群でも144.6/79.2mmHgから137.9/74.7mmHgに低下していたが、群間差は見られなかった。
 

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