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欧州心臓学会2010
生体分解ポリマーDES、2年成績も優位性証明できず
CypherおよびXienceと比較したISAR-TEST-4の2年成績

2010/09/28
編集部

ドイツ・ベルリン心臓病センターのRobert A. Byrne氏

 薬剤溶出ステント(DES)による遠隔期ステント血栓症を解決する手段の1つとして、生体分解性ポリマーを用いたDES(biodegradable polymer DES;BP-DES)が注目されている。溶出薬剤で再狭窄を抑制後、ポリマーが分解されベアメタルステント様になることで内皮細胞によるステントの被覆を抑制せず、遠隔期のステント血栓症が減少するとの発想による。しかし現実は、必ずしも仮説通りに進まないようだ。

 虚血性心疾患患者を対象にBP-DESと従来型DESを比較したISAR-TEST-4(Intracoronary Stenting and Angiographic Results: Test Efficacy of 3 Limus- Eluting Stents Trial-4)の2年成績では、ステント血栓症など虚血性イベントの発生に有意差は観察されなかった。欧州心臓学会ESC2010、8月28~9月1日、開催地:スウェーデン・ストックホルム)で、Robert A. Byrne氏(Deutsches Herzzentrum、ドイツ)が発表した。

 ISAR-TEST-4では、ラパマイシン溶出ステント(Cypher)またはエベロリムス溶出ステント(Xience)を使用する従来DES群(1304例)と、ラパマイシン溶出BP-DES群(1299例)とを比較した。対象症例の約60%は安定狭心症、29%が不安定狭心症、残りが心筋梗塞だった。

 責任病変は左前下行枝が45%、左旋回枝と右冠動脈がそれぞれ30%弱だった。約4分の1が分岐部病変、平均病変長は15mm弱、病変部平均血管径は2.80mmだった。また留置後半年間はクロピドグレルとアスピリンの併用療法を義務付けた。

 本試験の留置後1年の成績は、2009年のESCで発表されている。1次評価項目である「ステント関連虚血イベント」(心臓死、ステント留置病変に起因する心筋梗塞、または標的病変再血行再建術施行)は両群で発生率に差がなく、従来型DESに対するBP-DESの非劣性が証明された。
 

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