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日本腎臓学会2010
CKD合併高血圧患者へのRA系抑制薬併用は有効
透析導入および死亡のリスクが有意減少、KVT試験サブ解析

聖マリアンナ医大の安田隆氏

 慢性腎臓病CKD)ステージ3以上の高血圧患者へのACE阻害薬アンジオテンシンII受容体拮抗薬ARB)の併用は、透析導入および死亡のリスクを有意に減少させることが分かった。聖マリアンナ医大腎臓・高血圧内科の安田隆氏が、第53回日本腎臓学会学術総会(6月16~18日、開催地:神戸市)で発表した。

 血清クレアチニン(Cr)値2.0mg/dL以上のCKD患者に対するARBバルサルタンの上乗せ効果を検討するため、神奈川県の多施設で行われたKanagawa Valsartan TrialKVT)のサブ解析の結果だ。

 KVT試験ではCr値2.0mg/dL以上、血圧130/85mmHg以上の成人患者を、ARBを除く既存の治療薬を投与する「通常治療群」と、既存の治療薬に加えてバルサルタンを投与する「バルサルタン投与群」の2群にランダムに割り付けた。いずれの群も、もともとARBを服用していた患者は4週間以上休薬した上で、3年間追跡した。

 今回のサブ解析では、登録症例中必要なデータが揃っていた283例を、(1)ACE阻害薬・ARBともに非投与(非投与群)72例、(2)ACE阻害薬単独投与群69例、(3)ARB単独投与群104例、(4)ACE阻害薬とARBの併用群(併用群)38例の4群に分けて分析した。

 降圧薬の使用状況は、試験開始時(非投与群:1.6±1.0種類 vs. 併用群:2.3±1.0種類)、試験終了時(同:2.2±1.1種類 vs. 3.9±1.2種類)で、試験終了時には平均1剤以上の開きがあった。

 また試験終了時のレニン・アンジオテンシン(RA)系抑制薬の投与量は、ACE阻害薬単独群では通常用量比1.14±0.67、ARB単独群でも0.95±0.54と、ほぼ通常用量が投与されていた。これに対して併用群ではACE阻害薬0.89±0.54、ARB0.89±0.57と、通常用量よりも少ない量が使われていた。

 各群における血圧の推移では、収縮期血圧において併用群で低値、非使用群で高値の傾向が見られた。併用群の収縮期血圧は、追跡18~21カ月時点では他群と比較して有意に低値だった。
 

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