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日本血栓止血学会2010
深部静脈血栓症疑う止血系検査のカットオフ値は
整外領域では術後1日目のSF値、4日目のDダイマー値が有用

 整形外科領域における深部静脈血栓症DVT)発症リスクを評価する指標として、術後1日目では血漿可溶性フィブリン(SF)値が、術後4日目ではDダイマー値が、それぞれ有用であることが明らかになった。三重大血栓・止血異常症診療センター長の和田英夫氏が、第33回日本血栓止血学会学術集会(4月22~24日、開催地:鹿児島市)で報告した。

 和田氏らは、三重大で行われた股関節および膝関節置換術99例を対象に、DVT合併の有無と止血系マーカーとの関連を検討した。99例中、DVTを合併した症例は15例だった。止血系マーカーとして術後0日目、1日目、4日目、7日目、10日目、14日目、21日目、24日目、32日目に、SF値とDダイマー値を測定した。

 Dダイマー値、SF値ともに、DVT非発症群でも術後1日目は高値を示し、臨床検査上の基準値をDVTの診断基準としては用いられないことが分かった。

 そこで、DVT発症群・非発症群間で比較した。Dダイマーは、術後0~1日目は両群間に有意差がなく、術後4日目から14日目まではDVT発症群が有意に高値となった。特に手術後4日目は、両群間の差が最も大きかった(P<0.01)。一方、SF値は、術後1日目、4日目、14日目で両群間に有意差が見られた。この結果から和田氏は、「術後1日目の時点では、Dダイマー値よりSF値の方が診断特性は高い」とした。

 次に和田氏は、両検査値の推奨カットオフ値を検討した。術後1日目では、SF値の受信者動作(ROC)曲線の解析により、同値が3.8μg/mL以下であれば、陰性適中率(NPV)が100%となった。さらにSF値が11.86μg/mLのときに、感度93.3%、特異度41.7%と最も優れ、オッズ比は10.00となった。

 

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