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脳心血管抗加齢研究会2009
第2世代ARB「メタボサルタン」の特徴は?
PPARγ活性化作用を持つ多機能型ARBについて阪大・森下氏が詳説

2010/02/23
後藤 恭子=医療ライター

阪大大学院の森下竜一氏

 糖尿病患者では心血管疾患のリスクが高くなることから、心血管疾患の発症予防に当たっては肥満メタボリックシンドロームから糖尿病への進行をいかに抑制するかがカギとなる。

 第2回脳心血管抗加齢研究会(2月6日、開催地:東京)で阪大大学院臨床遺伝子治療学教授の森下竜一氏は、降圧作用に加えて抗糖尿病作用を発揮するPPARγ(peroxisome proliferators-activated receptor γ)の活性化作用を持つ、いわゆる第2世代のアンジオテンシンII受容体拮抗薬ARB)を「メタボサルタン」と位置づけ、その観点から進めている基礎研究の展開を詳説した。

 森下氏によれば、ARBとして最初に開発されたロサルタンは同系薬としてはプロトタイプに位置づけられ、よりAT1受容体への親和性が高くなったバルサルタンやカンデサルタンが第1世代ARBに相当するという。

 第2世代のARBの開発に当たっては、より強い降圧という観点からAT1受容体への親和性をさらに高める方向性と、降圧以外の作用を持たせた多機能型にする方向性に分かれた。前者の考え方で開発されたものがオルメサルタンであり、後者としてPPARγの活性化作用による代謝異常やインスリン抵抗性の改善効果を期待したものがイルベサルタンやテルミサルタンだ。

 PPARγの活性化作用はピオグリタゾンやロシグリタゾンの3分の1程度とあまり強いものではないが、心臓、肝臓、腎臓、血管への組織移行性が高い点が特徴で、浮腫のような全身的な副作用を避け、臓器保護作用が得られるという効果が期待されている。

 

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