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日本冠疾患学会2009
良好な側副血行有するCTO病変でもPCIを行うべき
灌流されていてもCTO末梢側の冠血流予備量比(FFR)は高度に低下

2010/01/19
編集部

名古屋徳洲会総合病院の林隆三氏

 造影上、慢性完全閉塞CTO)病変で良好な側副血行があった場合、冠動脈インターベンション(PCI)を行うか判断に迷うことがある。名古屋徳洲会総合病院ハートセンター循環器内科の林隆三氏らは、良好な側副血行を有していたCTOの2症例に対する冠血流予備量比FFR)の測定から、このような症例でもPCIを行う意義があると指摘した。第23回日本冠疾患学会学術集会(2009年12月18~19日、開催地:大阪市)で、林氏が発表した。

 わが国では早くから、CTO病変に対してPCIが行われてきた。決して容易な手技ではないが、近年の手技成功率は向上し、従来高かった再狭窄率も薬剤溶出性ステント(DES)の登場により大幅に低下した。ただ、CTO病変に対するPCIは、手技に長時間要する上、多量の造影剤、放射線被曝、コストなどの問題がある。従ってPCIの適応は、いまなお症例ごとに慎重に検討すべきとする意見が強い。

 造影上、良好な側副血行を有するCTO病変に対するPCIの意義もまだ明確とはいえない。そこで林氏らは、良好な側副血行を有するCTO症例2例に対し、冠狭窄度をより正確に反映するとされるFFRを、CTO病変末梢側を対象に、CTOに対しワイヤリング直後と、CTO病変にステント留置後に測定した。

 具体的には、CTO病変にワイヤーとマイクロカテーテルを通過させた後、マイクロカテーテルにより順行性の血流を遮断させワイヤーを抜去、マイクロカテーテルを介し圧センサー付きワイヤーに交換してCTO末梢側のFFRを測定した。

 FFRは、冠動脈狭窄下での最大充血時の心筋血流量と、狭窄のない正常冠動脈の最大充血時の心筋血流量の比。最大充血はATPなどの冠動脈内または経静脈投与により誘導する。一般に0.75未満の場合に有意狭窄ありと判断され、PCIの適応になる。

 

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