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AHA2009
心臓外科がない施設でもprimary PCIの予後は良好
ただし一定の基準を満たした施設での成績

2009/12/16
中西 美荷=医学ライター

米ボストン大学メディカルセンターのAther Anis氏

 心臓外科手術設備のない病院(No-SOS)で、初回経皮的冠動脈インターベンション(primary PCI)を受けたST上昇型急性心筋梗塞STEMI)患者の予後は、心臓外科手術設備を有する病院(SOS)でprimary PCIを受けた患者と同等であることが明らかになった。米国心臓協会年次学術集会(AHA2009)で、米ボストン大学メディカルセンターのAther Anis氏が報告した。

 STEMI患者においてprimary PCIは推奨される治療の1つで、ACC/AHAガイドラインでは、特に来院から治療までの時間(door-to-balloon time)が90分以内の場合には、クラスIの治療であるとしている。

 しかし実際には、大部分の患者はPCIプログラムを持たない地域病院に搬送されており、しかも多くの州で心臓外科手術設備がない施設でのPCIを禁止していることから、タイムリーなprimary PCIの実施は困難な場合が多い。こうした中、より多くのSTEMI患者が速やかにprimary PCIを受けられるようにと、マサチューセッツ州の保健当局は1997年、心臓外科手術設備のない病院におけるprimary PCIの試行(パイロットプログラム)を承認した。

 本研究に登録されたのは、2005年1月1日から2007年9月30日までにprimary PCIを受けたマサチューセッツ州在住のSTEMI患者3018例(SOS 2041例、No-SOS 977例)。1次アウトカムとして総死亡、MI、再血行再建術(RR)、標的血管の再血行再建術(TVR)を評価した。解析対象は、propensity score matchingによって背景を合わせたNo-SOS群781例、SOS群1562例である。

 PCI後、30日後と1年後における総死亡は、SOS群が5.70%、9.41%だったのに対して、No-SOS群では4.48%、8.5%で、いずれの時点においても有意差を認めなかった。MIは、30日後には、SOS群2.82%に対してNo-SOS群で4.35%と有意に増加していたが、1年後にはそれぞれ5.06%、6.66%と、有意差はなかった。

 

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