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AHA2009
CTアンギオは標準トリアージより迅速かつ経済的
低リスク心筋梗塞の診断法を比較したCT-STAT試験の結果

2009/12/11
宇田川 久美子=医学ライター

 米国では、医療過誤に対する賠償支払額の20%は、心筋梗塞(MI)の見落としに関係したものだという。年間600万人が胸痛を訴えて救急救命室(ER)に駆け込む同国では、いかに迅速かつ正確に診断を下すかが切実な課題になっている。こうした状況の中、現行の標準トリアージに代わる診断法として期待されているのが、CTアンギオグラフィーだ。

 米国心臓協会年次学術集会(AHA2009)のLate Breaking Clinical Trialセッションで、米・William Beaumont HospitalのJames A. Goldstein氏らは、CTアンギオと標準トリアージを比較したCT-STAT試験の結果について報告。CTアンギオ導入により、診断までの時間は従来の半分に、医療費は3分の1に減らすことができるとの試算を示した。

 救急時のMI診断に際しては、心電図検査に続いて心筋逸脱酵素を測定し、8~12時間後に再度酵素を測定した上で、安静時および負荷心筋イメージング(MPI)を行うことが最良として、現在の標準トリアージ法になっている。これだけ入念な検査を行えば、確かにMIを見逃すことは少なくなるが、一連の手順を遂行するには時間と人手がかかる。しかも、酵素や心電図の変化は、MIに特異的な変化ではない。

 これに対してCTアンギオは、冠動脈の病変を直接描出するものであり、検査手技も容易だ。Goldstein氏らは、15施設共同の無作為化比較試験「CT-STAT」を計画。CTアンギオと標準トリアージについて、診断までの時間とコストの比較を行った。

 対象は、TIMIスコアが4未満で初回の心電図と心筋逸脱酵素が正常な、低リスクの急性胸痛患者750例。これらの患者を、1対1の割合でCTアンギオ群(n=361)と標準トリアージ群(n=341)に無作為に割り付け、それぞれの手順で診断した。

 

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