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エストロゲンパッチなら高齢女性の心筋梗塞リスクは低下
Estrogen Patch May Lower Heart Attack Risk in Older Women

2008/10/21

 エストロゲンパッチやエストロゲン膣内投与などの投与方法なら、ホルモン補充療法に伴う心筋梗塞(MI)のリスクは低下する可能性が示唆された。

 デンマークRigshospitaletのEllen Lokkegaard 氏らは、エストロゲンパッチやエストロゲン膣内投与ならばMIリスクが低下するほか、エストロゲンプロゲスチン併用投与では持続療法よりも周期的療法の方がMIリスクは低いと、European Heart Journal誌10月号に報告した。

 筆者らは、健康なデンマーク人女性69万8098例の処方登録を基に1995年から2001年にわたって追跡したデータを用いて、ホルモン補充療法に伴うMIリスクの評価を行った。被験者全体(51~69歳女性)ではMIリスク上昇を認めなかったものの、51~54歳の群ではホルモン療法群のMIリスクが未治療群より24%高くなっていた。それに対し、高齢群では相対リスクが0.92に低下していた(95% CI:0.80-1.51)。

 また、ホルモンのタイプおよび投与方法によって、MIリスクには著しい差がみられた。エストロゲン療法(unopposed estrogen)、周期的療法およびチボロンの使用にはリスク上昇がなく、最もリスクが低かったのは、パッチ剤または膣内エストロゲン製剤を使用した女性であった (p=0.04)。

 一方、全ての年齢群において、併用レジメンが最も高いリスクだった。今回の研究で実施されたエストロゲン・プロゲスチン併用療法は、米国のWomen's Health Initiative(WHI)試験で使用されたものと同様の療法であったが、被験者のMIの相対リスクは1.35 (95% CI:1.18-1.53)で、これはWHI試験の報告よりも24%高い。さらに最も若年の群でのリスクは、WHI試験での51~54歳女性のリスクよりも高かった。

 WHI試験では1万6608例の閉経後の女性をランダム化した後、結合型ウマエストロゲン(0.635 mg/日)+酢酸メドロキシプロゲステロン (2.5 mg/日) 、またはプラセボを投与しており、ランダム化時の平均年齢は63歳であった。WHI試験では、エストロゲン・プロゲスチン群において乳癌、脳卒中および深部静脈血栓症のリスク上昇がみられた上に、ホルモン療法による心疾患リスク低下の証拠がみられないことから、試験開始から数年後にデータ安全性モニタリング委員会の勧告で中止されたという経緯がある。

 筆者らは、「留意すべき点は、我々の試験では閉経年齢に関する情報がなかったことだ。しかし、参加基準の年齢下限が51歳であったため、若年群女性の大半は閉経後であったといえる」と指摘した。しかし、未治療群にはおそらく閉経前の女性が含まれており、「未閉経者例では虚血性心疾患のリスクが低くなる。そのため、比較する若年投与群においてホルモン療法に伴うリスク推定値が上昇したと考えられる」と語っている。

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