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J Am Coll Cardiol誌から
スタチン投与中のCVDリスク予測、LDL-Cに優る指標なし
Non-HDL-Cやアポリポ蛋白Bの予測能はLDL-Cと同程度

2012/05/08
岡本 絵理=メディカルライター

 スタチン投与中も残存する心血管疾患(CVD)リスクの予測において、低比重リポ蛋白コレステロール(LDL-C)よりも優れた指標はあるのだろうか。

 米国、オランダ、デンマークの研究者らが、JUPITER試験のスタチン投与者を対象にコホート研究を行った結果、非高比重リポ蛋白コレステロール(non-HDL-C)、アポリポ蛋白B、各種脂質比(総コレステロール/HDL-C、LDL-C/HDL-C、アポリポ蛋白B/A-I)のいずれも、CVDリスク予測能はLDL-Cと同程度であることが分かった。論文は、J Am Coll Cardiol誌4月24日号に掲載された。

 現行ガイドラインは、スタチンの投与目標をLDL-Cの低下に設定している。だが、スタチン投与中のCVDリスクは依然として高く、残存リスクと呼ばれており、LDL-Cよりも脂質やアポリポ蛋白などの指標と強く関連している可能性がある。そこで著者らは、JUPITER試験のスタチン投与者を対象に、コホート研究を行った。

 JUPITER試験は、脂質異常がなく高感度C反応性蛋白(hsCRP)が高値の非糖尿病患者に対する、ロスバスタチンのCVD1次予防効果を認めた大規模臨床試験だ。糖尿病やCVDの既往がなく、ベースライン時のLDL-C値が130mg/dL未満、hsCRP値が2mg/L以上、中性脂肪値が500mg/dL未満の成人8901例をロスバスタチン(20mg/日)に割り付けた。今回はそのうち、ベースラインおよび投与開始から1年後の脂質とリポ蛋白をすべて測定した7832例を解析した。

 1次エンドポイントは、心筋梗塞・脳卒中・不安定狭心症による入院・動脈血行再建術施行・心血管死亡の複合エンドポイントとした。

 Intention-to-treat解析を行い、Cox比例ハザードモデルを用いてハザード比(HR)および95%信頼区間(95%CI)を算出した。

 ベースラインの脂質の中央値は低く、総コレステロールが186mg/dL、LDL-Cが108mg/dL、non-HDL-Cが134mg/dLだった。一方、アポリポ蛋白Bのベースラインの中央値は109mg/dLで、低値ではなかった。

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