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J Am Coll Cardiol誌から
LDL-Cが70mg/dL未満の患者でもスタチンは有効
AMI患者の2次予防が対象、韓国のレジストリー

2011/10/24
山川 里香=医学記者

 ベースラインの低比重リポ蛋白コレステロールLDL-C)が70mg/dL未満と低い急性心筋梗塞(AMI)患者でも、スタチン投与によってその後の主要心事故MACE)のリスクは有意に低下することが分かった。韓国のレジストリーデータを用いた後ろ向き解析で、J Am Coll Cardiol誌10月11日号に掲載された。

 現行の米国のガイドラインでは、心血管イベントリスクが非常に高い患者に対してはLDL-Cで70mg/dL未満を目標としたスタチン療法を推奨している。しかし、高リスクであってもベースラインのLDL-C値が70mg/dL未満の患者については、見解の一致を見ていない。

 そこで韓国の研究者は、2005年11月~2007年12月にKorean Acute MI Registryに登録されたAMI患者中、ベースラインのLDL-C値が70mg/dL未満で生存退院した1054例を対象に後ろ向き解析を行った。

 検討対象は、入院時に18歳以上で、1種類以上の心筋逸脱酵素の上昇が見られ、既に脂質異常症と診断されていたか、入院前にスタチンが投与されていた症例とした。

 退院時のスタチン処方の有無に従って、対象者をスタチン群(607例)と非スタチン群(447例)に分類した。スタチン群では、541例(89.1%)が入院中にスタチンを投与されていた。スタチン群の方がベースラインでの脂質異常症とMIの既往率が高く、入院中~退院時のβ遮断薬投与率も高かったが、それ以外に有意な群間差は見られなかった。

 7809例(76.8%)がPCIを受け、うち83.6%にステントが留置された。PCI成功率は両群で同程度だった(スタチン群96.2% vs. 非スタチン群95.4%、P=0.583)。血管造影上の責任病変の特性、TIMI flow gradeの分布、ステントサイズに群間差は見られなかった。

 全対象者に、アスピリン(初回投与量300mg、維持量100mg/日)、クロピドグレル(初回投与量300~600mg、維持量75mg/日)、ヘパリンが投与されていた。アスピリンとクロピドグレルの投与は6カ月以上継続した。

 スタチン群には、退院後1カ月以上経過してからスタチンが投与された。投与開始1カ月後以降のスタチン投与継続は、医師の裁量とされた。

 主要評価項目は、12カ月間のMACE(総死亡、MI、PCI再施行または冠動脈バイパス術[CABG])とした。副次評価項目は、主要評価項目の各項目(心臓死、総死亡、MI再発、冠動脈再血行再建術など)とした。
 

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